買い物はただの物欲の消化にあらず。何を選ぶか、どう使うかはその人のスタイルや視点が確実に表れます。では、あの人は「SUNDAY MOUNTAIN」の膨大な物量の中から何を選び取るのか?
RIDGE MOUNTAIN GEAR
雑誌や広告の世界でスタイリストとして活動するほか、近年はブランドのディレクションや商品開発にも携わる。アウトドアのプロとして、バラエティ番組やドラマにて、キャンプの監修を行うことも多数。自身のブランド「T SPEC GEAR®︎」でも精力的にものづくりを続けている。
アウトドア界のAmazonとも言えるような商品ラインナップ
大変多くの商品点数を扱っているため、選ぶ際はだいぶ悩みました笑。ただ買い物する中で感じたのはアウトドアショップの中には尖ったお店も多い中で、〈サンデーマウンテン〉は取り扱い商品の幅広さから、敢えてユーザーフレンドリーなサイトにしているのだろうということです。
自身でブランドを始めてからは、日頃着用する服はほぼ自分のブランドの製品になりました。欲しいアイテムがあれば、それを自分で作ってしまいたいという意識が強いため、他ブランドの製品はあくまで参考資料として購入することがほとんどです。
今回選んだ3点に関しては、ほとんどの商品を見たうえで、「自分では作れないもの」の中から「今本当に欲しい」と感じるものをチョイスしました。山で使いたいものと、そうでないものが混在していますが、どちらの用途でも使えるような製品を選んでいます。
BRAND_Helinox
ITEM_チェアワンハイバック(re)
携帯性とリラックスできる座り心地のベストバランス
家具全般、特に椅子が好きでいくつか持っています。このチェアワンハイバックは、アウトドアではもちろん、職場の休憩スペースなどで使用したいと考えています。
ヘリノックスの定番チェアワンは愛用していますが、座面が高くなるハイバックタイプを試したことがなかったので今回選んでみました。休憩時の気分に合わせて椅子を使い分けたいと思い、リラックスできる点も重視しています。他にはないヘリノックスのコンパクトさ、シンプルさ、そしてバランスの良さに魅力を感じています。同じヘリノックスでも、携帯性に特化したチェアゼロは生地の素材が滑りやすく、座り心地や安定性に納得がいきませんでした。そのため、愛用しているチェアワンに近い、キャンバスとメッシュの組み合わせによる安定感を求めてこのモデルを選んでいます。
BRAND_NANGA
ITEM_ラバイマバッグW600
家族で使いたいキャンプ用シュラフ
個人用として使用しているのはキュムラスのシュラフで、冬山登山においても山小屋泊を基本としているため、本格的な冬用シュラフは持っていません。今持っているキュムラスのものは、一年を通して幅広く使える仕様になっています。
今回は2人用サイズのシュラフを選びました。娘2人が一緒に入ったり、あるいは大人(私)と子供1人で一緒に入ったりできるシュラフが欲しいと思っていたからです。今後家族でキャンプに行くことや、山へ行った際に親子で一緒に寝られるシュラフがあれば楽しいだろうと考えました。
子供が生まれてから家族でのキャンプは、最初からセッティングが整っている貸し切りキャンプ場などを利用することがほとんどです。しかし、そのような環境でもシュラフは寝具として必要になります。今回の2人用シュラフは、キャンプ用品でもありますが、家族の寝具としての役割を重視して選びました。
BRAND_EVERNEW
ITEM_ブルーノートストーブ
徹底した試行錯誤から生まれるストイックなデザイン性
自分自身、普段の山行では利便性の高いガスカートリッジ式のストーブを使うことがほとんどで、アルコールストーブはあまり使用しません。ガスのほうが燃料計算の煩わしさがなく、過酷な環境下でも機能する安心感があるからです。アルコールストーブは、いわば「大人のおままごと」として、下山後にコーヒー1杯を楽しむような余裕のある状況で使いたいと考えています。
ブルーノートには、まずプロダクトとしてかっこいいと思いました。ULカルチャーでは空き缶などで自作されがちなアルコールストーブを、シンプルなデザインの工業製品として昇華した点に惹かれます。こうした道具を量産可能な製品として成立させるには高いハードルがありますが、それをエバニューが企画し、形にしたところ。開発の裏側で語られる試行錯誤や苦労話を知るほど、その完成度の高さとメーカーのこだわりにさらに感動します。



































