山火事が起きたときに、どうやって行動すればいいのか不安じゃありませんか?
ここでは、
「なぜ山火事が起きるの?」
「どんな時に起きやすいの?」
「今すぐできる山火事対策は?」
山火事の基礎知識から、発生原因、発生しやすい時期や条件、過去の事例、環境・経済への影響、具体的な予防策と避難行動までを徹底解説!国内最大級のアウトドアショップ「サンデーマウンテン」が防災に使えるアウトドア用品もご紹介します。
山火事の危険性を正しく理解しながら日常から備えを強化して、いざというときに迷わず安全が確保できるようになりましょう!
最初の山火事対策は火の怖さを知ること!

日本で毎年のように発生している山火事。規模や頻度は増加傾向にあり、山火事の基礎知識を知ることは防災の第一歩であり適切な備えや行動につながります。
まずは、火の性質と山火事の基本を理解していきましょう!
山火事とは自然環境の中で広がる火災のこと
山火事(やまかじ)とは、森林・山地・草原などで発生し、自然環境の中で拡大する火災のこと。英語では「wildfire」と呼ばれており、海外では大規模な被害を伴う火災としても知られています。
特徴は、以下のように広範囲にわたって自然と人間社会に甚大な被害をもたらすこと。住宅街や繁華街の火災とは違います。
| 特徴 | 説明 |
| 自然環境で発生 | 人の住まない山地や森林などで発生する火災 |
| 拡大が早い | 風や乾燥した気候によって一気に燃え広がる |
| 消火が困難 | 地形や燃料(木々・落ち葉など)の関係で 鎮火に時間がかかる |
| 環境や社会への影響が大きい | 森林破壊、大気汚染、生態系へのダメージなどが発生 |
単なる自然現象じゃなく、多くの場合人の行動によって引き起こされ、被害は私たちの想像を超えて広範囲に及びます。
日本での山火事は被害規模が拡大傾向
日本は国土の約66%を森林が占める森林大国。山火事のリスクが常に存在する国のひとつです。
特に、近年は異常気象や気候変動の影響によって山火事の発生数や被害規模が拡大傾向!都市近郊に位置する山地では住宅地への延焼リスクもあり、過去には避難勧告が出されるケースもありました。
山火事は都市部に住んでいる人にとっても「遠い災害」ではありません。特に、山林近接地域に居住している方、登山やキャンプなどで山に関わる人々にとって、山火事リスクを正しく理解することは、防災意識を高める第一歩です。
山火事が起きる主な原因
あなたの意識が山火事の火種を断ち切る第一歩!発生要因の多くが「防げる火災」です。「人為的要因」と「自然発火」の2つに分けて、それぞれを詳しく解説しますね。原因を知ったあなたの知識と行動で、大切な自然と命を守りましょう!
私たちの行動が火災の引き金に

日本で発生する山火事の約7割は、人為的な要因によるもの。私たちのちょっとした不注意で、大規模な山火事を引き起こすおそれがあります。
代表的な原因は、以下のように「私たちが予防できる行為」です。
| 原因 | 説明 | 割合(参考値) |
| たき火の不始末 | キャンプや野外活動中の火の管理が不十分なまま放置され、周囲の落ち葉や枯れ草に引火 | 32.6% |
| 不適切な火入れ | 農地や山林での草木の焼却作業で、風向きや火の管理が不十分なまま拡大 | 19.7% |
| 放火(疑いを含む) | 意図的に火をつける悪質な行為、または明確な原因が特定できない事例 | 14.3% |
| タバコの投げ捨て | 吸い殻の不始末により、乾燥した地面に引火して延焼 | 13.1% |
| 火遊び | 子どもや若者によるマッチ・ライター使用 | 0.9% |
※参照元:山火事の直接的な原因にはどのようなものがあるの?|林野庁(2025年4月時点)
特に、乾燥する時期や強風のときはちょっとした火種が一気に燃え広がるもの。例えば、たき火をしたときに風の強さを確認せず、使用後は完全に消火できていないと山火事が発生しやすくなります。
火入れ作業の際は、事前に自治体の許可を得て消火設備を用意し風のない日を選ぶという配慮が欠かせません。タバコの吸い殻についても、携帯灰皿の使用が不可欠です。
コントロールが難しい自然発火

人為的な原因に比べると件数は少ないものの、自然現象によって発生する山火事も存在。日本では今のところ「稀」とされていますが、気候変動の影響でリスクが高まっているとされています。
代表的なものは、以下のように人間の予測や管理が難しい自然発火。
| 原因 | 特徴 |
| 落雷 | ・落雷が樹木や枯れた地表に直撃し点火 ・雷雨のあった山間部では確認が遅れ延焼が進行 |
| 火山活動 | ・噴火や溶岩流などが近隣の森林や草原に達し火災に ・日本の火山帯地域で散発的に確認されている |
| 自然発熱・自然発火 | ・枯れ葉、動物の排泄物、堆積物など ・長期間高温、乾燥状態にさらされ自然発熱し火種に |
特に、落雷による火災は天候に大きく左右されるので、天気予報をよく見て警報発令時には速やかな避難が重要。
火山活動による火災は地域が限られますが、周辺住民は噴火警戒レベルとあわせて火災のおそれも視野に入れた対策が求められます。
山火事が起きやすい季節や気象条件は?
山火事は年間を通じて発生するおそれがありますが、実際には特定の季節や気象条件が重なったときにリスクが大きく高まります。「知っていれば防げた火災」を1件でも減らすために、火災が発生しやすい時期や環境的要因を把握しておきましょう!
山火事が多発する季節

日本では、冬から春(1月〜5月)にかけて山火事の発生件数が集中しています。林野庁の統計によると、全山火事の約7割がこの時期に発生!気象条件と人間の活動が組み合わさり火災リスクが増大する傾向です。
| 季節 | 山火事の原因 |
| 冬(1〜2月) | ・乾燥、強風、枯れ葉が蓄積 ・火の拡散を助長 |
| 春(3〜5月) | ・人の山林利用が増加 ・農作業での火入れ増加 |
| 夏(6〜8月) | ・梅雨明け以降は乾燥するが雷雨が増加 ・雷により一部地域で自然発火 |
| 秋(9〜11月) | ・落ち葉が蓄積 ・天候が不安定 |
| 初冬(12月) | ・気温が低下して乾燥 ・強風 |
特に、1月から5月にかけては以下のような条件が重なり山火事が起こりやすくなります。
- 冬季は空気が乾燥し、森林の可燃物(枯れ葉や下草)が乾いている
- 農作業での火入れ(畑の草を焼くなど)で火種が山林に及ぶ
- 春先は行楽客や山菜採りなどで山に人が入る機会が増える
- 風が強くなることでひとたび火がつくと急速に拡大する
冬から春にかけては、気温の低下により空気が乾燥し、森林内の落ち葉や枯れ草が乾いた状態に。また、風が強い日が多く火がつくと一気に延焼しやすい環境が整います。春はレジャーや農作業が活発になるため、人為的要因が増加します。
※参照元:山火事のおきやすい時期はいつ?|林野庁(2025年4月時点)
山火事を助長する気象条件

山火事が発生する原因は、季節だけに限りません。山火事が発生しやすい季節に、以下のような気温や湿度になると山火事の拡大が予想されます。
| 気象条件 | 助長の原因 |
| 高温 | ・可燃物(枯れ草・落ち葉など)の水分が蒸発 ・着火しやすい状態に |
| 低湿度 | ・空気中の水分が少なく自然環境中の有機物が乾燥 ・火のまわりが速くなる |
| 強風 | ・火の粉が遠くまで飛ぶ ・火種が複数箇所に拡散 ・消火活動が妨げられる |
| 少雨・乾燥 | ・降水量が少なく森林土壌が乾ききる ・火災が長期間続く原因に |
これらの条件が重なった日は、気象庁から「山火事気象情報」や「乾燥注意報」が発表されます。山林に近い地域に住む人やアウトドア活動を予定している人にとって、とても重要なポイントなので知っておくと山火事対策につながりますよ。
気候変動にも注目
近年、地球温暖化の影響により山火事のリスクは世界的に高まっています。日本でも夏季の猛暑日や異常気象が増えており、従来よりも長期的に乾燥する期間が続くようになってきました。
そのため、山火事が起きやすい季節が曖昧になりつつあり、常に火災リスクを意識する必要が生まれています。
また、都市近郊での宅地開発や放置林の増加なども火災リスクを高める一因に。自然環境と人間活動の境界が曖昧になるという新たな課題も指摘されています。
日本国内の山火事発生状況と事例

山火事は日本各地で毎年発生しており、その多くが人為的要因で引き起こされています。「防げた火災」を未然に防ぐためにも、現在の発生状況・過去の事例・地域ごとの傾向を見ていきましょう!
日本の山火事発生件数と焼損面積の推移
林野庁の統計によると、日本では年間約1,300件前後の山火事が発生。焼失する森林面積は毎年数百ヘクタールもあり、復旧には長い年月と多大な費用が必要です。
以下は直近5年間の山火事発生状況をまとめた表です。
| 年度 | 出火件数(件) | 焼損面積(ha) | 損害額(百万円) | 主な発生時期 |
| 令和元年 | 1,391 | 837 | 269 | 2〜4月 |
| 令和2年 | 1,239 | 449 | 201 | 1〜5月 |
| 令和3年 | 1,227 | 789 | 176 | 1〜5月 |
| 令和4年 | 1,239 | 605 | 345 | 2〜5月 |
| 令和5年 | 1,299 | 844 | 125 | 1〜4月 |
| 平均 | 1,279 | 705 | 223 | ー |
※参照元:日本では山火事はどの位発生しているの?|林野庁(2025年4月時点)
例えば、600ヘクタールが消失すると東京ディズニーランドの約12個分が焼けてしまうということ。毎日、全国で約4万件発生し、約2ヘクタールの森林が燃え、約60万円の損害が生じている計算です。
実際に発生した国内の主な山火事事例
山火事のリスクを実感するために、実際の事例も知っておきましょう!ここでは、最近日本で発生した代表的な山火事を2つ紹介しますね。
岩手県大船渡市(2025年)
- 発生日:2025年2月26日
- 焼損面積:約2,900ヘクタール
- 建物被害:210棟(うち全壊76棟)
- 避難指示:979世帯・2,424人対象
平成以降、最大規模の山火事。乾燥と強風が重なり火の勢いが止まらず、近隣住民の避難・交通の遮断・観光業への影響が出ました。
栃木県足利市(2021年)
- 発生日:2021年2月21日
- 焼損面積:約106ヘクタール
- 特徴:複数箇所で再燃を繰り返し、完全鎮火まで約1週間
強風により火の粉が飛び火し、山を越えて延焼した山火事。人家への燃えうつりは防げたものの、広範囲の山林が焼失しました。
地域ごとの山火事発生傾向
山火事は全国各地で発生していますが、特に多い地域には以下のような特徴があります。
| 地域 | 特徴 | 発生原因の傾向 |
| 関東地方 | 気候が乾燥しやすい 人口密度が高い | 火の取り扱い |
| 東北地方 | 森林面積が広い 風強の地域が多い | 火入れ作業や農業関連 |
| 中国・四国地方 | 山間部が多い 鎮火活動が難しい | 雷や自然要因が多い |
| 九州地方 | 雨が多いが 乾燥期は火災リスクが上昇 | 放置林・竹林での火災 |
山火事の傾向は、地形・森林密度・気候・住民の活動内容などにより地域によってさまざま。それぞれの特性に応じて予防と対策が必要です。
山火事への対策が最良の防災!
山火事は予想外の場所やタイミングで発生することがありますが、その多くは「少しの注意」で防げるもの。日ごろの対策が最良の防災ととらえて、私たち一人ひとりが注意していきましょう!
山火事の対策方法を「日常生活」「野外活動」に分けて、わかりやすく解説しますね。
日常生活での対策方法

山火事の多くは、火の扱いに関する基本的なマナーを守れば未然に防げます。
家庭や生活の中で意識しておきたいポイントはこちら。
| 対策項目 | 内容 |
| たき火の管理 | ・枯れ草や風の強い日のたき火は控える ・使用後は必ず水や土で完全に消火 |
| 喫煙マナーの徹底 | ・山林や乾燥地域での喫煙を控える ・吸い殻は携帯灰皿で確実に処理する |
| 火入れのルール遵守 | ・事前に自治体へ申請、許可を得る ・強風時は実施しない |
| 子どもへの火の教育 | ・花火、焚き火などの火遊びに注意 ・大人が管理、指導をする |
| BBQやキャンプファイヤーの対策 | ・地面に防火シートを敷き火の粉の飛散を防ぐ ・水や消火器を常備する |
とてもシンプルな行動ですが、火災リスクの大幅な低減効果は抜群!特に、乾燥する時期や風の強い日は、いつも以上に慎重な火気の扱いが求められます。
野外活動での対策方法

日常生活だけじゃなく、登山・キャンプ・バーベキューなどのアウトドア活動も山火事の原因。事前の準備と安全対策を心がけましょう。
| 対策項目 | 内容 |
| キャンプ地選び | ・焚き火可能エリアかどうかを事前に確認 ・まわりに可燃物(枯葉、枝など)がない場所を選定 |
| 焚き火設備の準備 | ・風防付きの焚き火台、防火シート、バケツを用意 |
| 火気使用後の確認 | ・内部に残火(くすぶっている火種)がないかを確認 ・手をかざして熱が残っていないかチェック |
山に入る前は、現地の気象情報や火災注意報の有無を必ず確認!山火事リスクの高い日は活動を控える判断も大切です。
地域で取り組める対策方法

山火事対策は個人だけじゃなく、地域全体で取り組むとさらに効果を発揮します。特に、森林に近い地域や過去に火災が起きたことのある地域では、以下のような取り組みを実施しているはず!
| 防火啓発活動 | ・山火事対策を組み込んだ地域の防災訓練 ・広報誌やポスターによる注意喚起 |
| 防火帯の整備 | ・山林の周囲に燃えにくい空間を設置 |
| 監視体制の構築 | ・地元住民によるパトロール ・監視カメラの設置 |
| 自主防災組織の結成 | ・火災発生時の初期対応や避難誘導の訓練を定期実施 ・消火器具の配備状況を点検 |
あなたも積極的に参加して、山火事の発見の遅れや対応の遅延を防ぎ、被害の拡大を最小限に抑えてみませんか?
山火事の具体的な事前対策
山火事は予測が難しく、思った以上のスピードで迫ってくる危険な災害。風の影響を受けやすく「もう少し大丈夫だろう」という油断が命取りになりかねません。
山火事の予防方法を学ぶだけじゃなく、実際に事前対策をしておきましょう!
- 避難時に持ち出すとよい防災用品
- 避難計画を家族間で共有
それぞれ詳しく解説しますね。
避難時に持ち出す防災用品を揃えよう

山火事は煙や火の影響で避難が長引きやすい災害。最低限の持ち出し品を常備しておくと、避難したときの過ごしやすさや精神面が良くなります。
例えばこちら。
- 飲料水(1人1日3L目安):脱水症状・火傷時の冷却にも使用可能
- 保存食(3日分程度):避難生活中の栄養補給に必要
- 懐中電灯・電池:夜間避難・停電時の安全確保
- 携帯ラジオ:正確な情報を得るために重要
- マスク・タオル:煙や粉塵の吸入防止に活用
- 医薬品・常備薬:持病のある人は特に重要
- 現金・身分証のコピー:災害時は電子決済が使えない可能性あり
これらをリュックにまとめておき「非常持ち出し袋」として玄関や車内に常備すると、いつでもすぐに避難できる状態を保てます。
避難計画を家族間で共有しよう

山火事の避難のときは混乱がつきもの。でも、計画を立てておけば冷静に安全な行動が取れます。
| 準備項目 | 内容 |
| 避難経路の確認 | ・家から避難場所までのルートを複数確認 ・煙や火が回りにくい道を優先 |
| 避難場所の共有 | ・家族全員がどこへ避難するかを把握 ・地域の指定避難所を把握 |
| 緊急連絡網の作成 | ・家族、知人、近隣住民との連絡手段を確保 ・電話、SNS、メールをすべて活用 |
| 家族での避難訓練 | ・避難時の持ち物確認と移動の練習 ・子どもや高齢者と一緒に実施 |
災害はいつ発生するかわかりません。家族が離れている時間帯(平日昼間など)も考えながら、複数の連絡手段や避難手段を準備しておきましょう。
山火事が起きたときは早めに避難!

山火事の危険を感じたら避難スタート!主な流れはこちらです。
- 初期兆候で危険を察知
- 適切な衣類を着用し荷物を持ち出して逃げる
- 身の安全を確保しつつ最新の公式情報を収集する
風に乗って急激に広がる山火事は、わずかな遅れが命取りに。パニックにならないためにも、それぞれを詳しく知って落ち着いて行動できるようになりましょう。避難できない状況もあるので、自宅や敷地内での安全確保についても解説しますね。
初期兆候で危険を察知
山火事は、目視できる火災だけじゃなく以下のような「兆候」でいち早く察知できます。
| 兆候 | 具体例 | 避難の目安 |
| 焦げたようなにおい | 焚き火のような臭気 | 近くで火災が起きている |
| 空気が白濁している | 地表付近に煙が漂っている | 煙が視界に入った時点 |
| 火の粉が風に舞っている | 高所や風上から火の粉 | 延焼の恐れがある |
| サイレンや避難指示がある | 消防車の音、防災無線 | 指示前でも自主的に避難 |
山火事は、空気の乾燥や風向きなど目に見えないリスクも!「まだ大丈夫」と思ってしまうことが致命的になりかねません。火が見えたらではなく、違和感を感じたら早めの避難が鉄則です。
適切な衣類を着用し荷物を持ち出して逃げる
危険を察知したら安全な場所へ避難!着用する衣類や持ち出す荷物は、あなたや家族の命を左右するとても大切なポイントです。熱・煙・火の粉から身を守るため、適切な装いをしましょう。
| 項目 | 内容 | 理由 |
| 靴 | 耐熱性のあるスニーカー または登山靴 | ・裸足・サンダルはNG ・火の粉で火傷する |
| 衣類 | 綿製の長袖・長ズボン、 帽子、軍手 | ・化学繊維は高熱で溶けやすい ・火傷の原因に |
| 顔の保護 | 濡らしたタオル、マスク、ゴーグル | ・煙や粉塵の吸引を防ぐ ・目を保護する |
| 非常持ち出し袋 | 飲料水、非常食、懐中電灯、 ラジオ、常備薬、充電器 | ・最低3日分 ・自立生活を想定して準備 |
肌の露出を避け、綿やデニムなどの燃えにくい素材の衣類を着用。顔は濡らしたタオルやハンカチで覆い、ゴーグルやマスクで煙の吸引を防ぎましょう。
あらかじめ「防災リュック」にまとめて玄関や車内に常備しておき、緊急時は低姿勢で移動しながら避難!煙は上に溜まるので、なるべく身を低くして移動すると視界と呼吸が確保しやすくなります。
また、山火事の進行は風向きと地形の影響が大きいので、避難の方向と経路に細心の注意が必要!
- 風上、舗装道路OK
- 火に背を向けるNG
- 谷、傾斜NG
これらを意識しながら、火が移りにくくひらけた場所を選んで逃げましょう。
身の安全を確保しつつ最新の公式情報を収集する
火災現場から離れた後も、以下のような点に注意しましょう。
- 体調管理の徹底
- 情報収集の継続
- 再入居の慎重な判断
煙の吸入による喉や肺への影響、長時間の緊張による疲労など、身体的な異変が出てくるかもしれません。特に、自分の体調が把握しきれず表現しにくい子どもや高齢者は要注意です。
また、避難指示解除の情報や二次災害への注意喚起など状況は刻一刻と変化します。信頼できる情報源(自治体、防災アプリ、防災無線)を活用して「避難情報」「火災警報」「乾燥注意報」などの発表をチェックしましょう。
避難後、なるべく避難先から自宅へ戻りたいかもしれませんが自治体の指示に従うのが鉄則。火が完全に鎮火していない場合、再燃する危険があります。
間に合わないなら自宅や敷地内で安全確保
山火事が発生しても、避難が間に合わなかったり一時的に自宅に留まるしかなかったり。そんなときは、以下のような対策で自宅周辺での火の進行を抑えましょう。
| 可燃物の撤去 | 家の周囲(5m以内)の 落ち葉、薪、ガスボンベなどを除去 |
| 防火スペースの確保 | 火が延焼しにくい「防火帯」を庭先に設ける |
| 屋根・雨どいの掃除 | 枯れ葉がたまっていると上部から延焼しやすくなる |
| シャッター・雨戸の閉鎖 | 飛び火による窓ガラスの破損を防ぐ |
万が一、家屋が煙に包まれたら室内で低い姿勢をとりつつできるだけ換気口や隙間をふさぎます。煙の侵入を防ぎながら、救助を待つ対応を考えましょう。
山火事対策に役立つアウトドア用品8選
山火事発生時の避難や一時的な屋外生活。そんなときにとても役立つのが「アウトドア用品」です!
キャンプや登山のために設計されていますが、趣味と防災の境界を超えた実用性が魅力。軽量・持ち運びしやすい・多機能・高耐久などが、防災用品として高い評価を受けています。
- 災害時の必需品
- 水と食事の確保に役立つグッズ
- 快適な避難生活を支える装備
- 安全確保に欠かせないツール
- 運搬や保管に便利な収納用品
それぞれ、具体例を交えながらわかりやすくお伝えします。国内最大級のアウトドアショップ「サンデーマウンテン」がおすすめしたい防災グッズもご紹介しますね!
災害時の必需品
山火事の影響で停電が発生すると、照明が使えなくなり、安全な避難や情報収集が困難に。アウトドア用品の中で特に重要なのが、以下のような照明・電源アイテムです。
| ヘッドランプ | ・両手が自由に使える ・夜間の移動や作業に便利 |
| LEDランタン | ・長時間の明かり確保が可能 ・広範囲を照らせる |
| モバイルバッテリー | ・スマートフォンの充電に不可欠 ・大容量タイプ(10,000mAh以上)が安心 |
| ソーラーチャージャー | ・電源がなくても太陽光で充電可能 ・折りたたみ式なら持ち運びやすい |
これらは、電源が確保できない環境で生命線となる重要アイテムです。夜間避難や情報収集の際に活躍するため、必ず非常持ち出し袋に入れておきましょう。
スポット400|Black Diamond

防水等級IPX8(水深1.1mの真水に30分耐えうる防水性)で、雨や雪で濡れてもOK。バッテリーまたは単4アルカリ乾電池が使用でき、充電できない環境でも暗闇が照らせます。着用感を感じないほど軽く、避難の妨げになりにくいのもポイントです。
アークライト|SUNDAY MOUNTAIN

軽量・コンパクトで収納しやすく、自由自在に変形・設置できるLEDライト。2色の切り替えができ、温かいオレンジ色は災害時の不安を和らげ、クールな白色はまわりを見やすくしてくれます。
水と食事の確保に役立つグッズ
避難所や野外での生活では、飲食が満足にできないことも。アウトドア用の調理器具や給水グッズがあると、少ない燃料・資源で食事や飲み水が確保できます。
| 携帯浄水器 | ・川や雨水などを飲料水に変える ・フィルター式やストロータイプがある |
| クッカーセット | ・鍋、フライパン、カップなどのセット ・軽量でコンパクト収納可能 |
| ウォータータンク | ・給水時に便利 ・折りたたみ式は持ち運びやすく省スペース |
| ポータブルバーナー | ・ガスカートリッジ式で火力がある ・素早く調理できる |
給水・調理グッズは、日頃からキャンプで使い慣れておくと災害時にもスムーズに活用できます。
ビーフリーAC 0.5L|KATADYN

ホロファイバーフィルターと活性炭フィルターの2段階浄水システムを搭載した携帯浄水器。口にしたくない川や雨水などを、瞬時に安全で美味しい水に変えます。軽量性・携帯性を重視しているので底のマチがなく、持ち運びやすいのもポイント。
ストレージバケット35L|and wander

折りたたみができる容量35Lのバケツ型バッグ。船の帆・垂れ幕・お店の軒出しテントにも使われる防水のシート素材で、耐久性に優れています。表面は樹脂コーティングが施されており、水をはじくので屋内外で使えるのも嬉しい魅力です。
快適な避難生活を支える装備
屋外での避難生活では、睡眠や休息が極めて重要!寒さや地面の硬さから体を守るための寝具は、健康を維持するうえで欠かせません。
| 寝袋(シュラフ) | ・気温に対応した保温性能を持つ ・封筒型は寝返りしやすい |
| インフレータブルマット | ・地面の冷気、凹凸の不快感を防ぐ ・快適な睡眠をサポート |
| エマージェンシーブランケット | ・薄いシート ・体温を逃がさず保温効果が高い |
寝具を選ぶときは、防寒・断熱に優れたものかどうかをチェック。気温差の激しい避難所や屋外では、適切な装備が体調管理の良し悪しにつながります。
オーロラテックスライト350DX レギュラー|NANGA

独自開発の「防水透湿素材AURORALIGHT」を採用した寝袋。極薄で軽量なのに優れた耐水性を備えており、雨の日や結露による濡れを気にせず使用できます。柔らかく滑らかな肌ざわりで、硬くて動きにくいような防水素材によるストレスを感じません。
アークエマージェンシービビ ダブル|Rab

軽量のPE(ポリエチレン)で防風と防水性抜群。体の熱を反射して保温しつつ、風や雨よけにも活用できます。横210×縦150cmの大きめサイズです。
安全確保に欠かせないグッズ
山火事による火の粉や煙から身を守るためには、防火・安全関連のグッズも欠かせません!
| 消火スプレー | ・小型の初期火災対応用 ・すぐ取り出せる位置に常備 |
| 多機能マルチツール | ・ナイフ、ハサミ、ドライバーなどが一体化 ・応急処置や補修に便利 |
| フェイスマスク・ゴーグル | ・煙の吸入防止、目の保護に役立つ・防じん性能付きの製品を選ぶとより効果的 |
山火事発生時はパニックや視界不良が起こるおそれがあります。火災に特化した防災用品を揃えておくと、安全性が一段と高まりますよ。
ビバーク|TB OUTDOOR

元々フランス軍への供給備品として開発された、多機能マルチツール。人間工学に基づいたABSハンドルで、軽量かつ耐衝撃性に優れています。ナイフ、栓抜き、缶切り、六角レンチ、フォーク、スプーンがこれ1本で完結。
運搬や保管に便利な収納用品
避難中は荷物管理が重要。効率よく運べる収納用品があると、移動の負担が大幅に軽減できます。
| 防水バックパック | ・雨や消火用水から荷物を守る ・仕切りや収納ポケットが多いものが便利 |
| パッキングポーチ | ・小物が分けて収納でき取り出しやすい ・避難先での整理整頓に役立つ |
| キャリーワゴン | ・荷物が多いときに有効 ・子どもや高齢者の移動補助にも活用できる |
収納の工夫は、避難時の混乱やストレスを減らす大きなポイントに。スピーディさが問われる避難で、落ち着いて行動できるように準備しておきましょう。
キャンプツールリュック(テーブル付き)|LOGOS

非常時に必要なものがひと通り収納できる31Lの大容量リュック。豊富なポケットで小分け収納がしやすく、両手がふさがらないので運搬時の安全性が高いです。取り外し式のミニテーブルが付属しており、避難場所でも活躍します。
防災としてアウトドア用品を最大限に活用させる方法

キャンプや登山などで使われるアウトドア用品やスキルは、災害時の生活を支える重要な備えに!アウトドアを日常生活に取り入れながら防災力を高めてみませんか?
- 日常使いで「慣れ」「備え」を両立
- アウトドア体験で「実践的な防災力」を習得
- 家族全員で「楽しみながら防災訓練」を実施
それぞれ詳しく解説しますね。
日常使いで「慣れ」「備え」を両立
アウトドア用品は災害時にもそのまま使えるものが多く、防災グッズとして非常に優秀。でも、普段使わずにしまっているだけではいざというときに「使い方がわからない」「壊れていた」といった事態になりかねません。
そこでおすすめなのが、日常生活でこれらのアイテムを実際に使い「慣れながら備える」習慣を持つこと!
- LEDランタン
- クッカーセット
- ポータブルトイレ
- モバイルバッテリー
- スリーピングマット
- モバイルソーラーパネル
これらの用品を防災専用として保管するのではなく、日常で使いながら慣れておくといざというときに焦りません。
アウトドア体験で「実践的な防災力」を習得
アウトドア活動は、防災に通じる多くの知識やスキルが詰まっています。例えば、以下のような技術や経験は、山火事や大規模災害の避難時にもとても役立ちます。
- テントの設営
- ロープワーク
- 食料と水の管理
- 地図とコンパスの読み方
- 火の起こし方・安全な取り扱い
こうした技術は知識としてもつだけじゃなく、実際に体験しておくのがベスト。災害時の行動に直結する実践力が身につきます。
家族全員で「楽しみながら防災訓練」を実施
アウトドアは家族全員が参加できる楽しいアクティビティ。そして、防災訓練が自然に実践できるチャンスです。以下のような方法で、楽しみながら防災意識を高めましょう!
- 使い慣れた道具を親子で確認
- 休日に「防災キャンプ」を開催
- 小学生でもできる火起こしや避難用リュックの準備
アウトドアを防災訓練とすることで、子どもたちも楽しみながら防災スキルを身につけられます。
アウトドアから始める山火事対策
気候変動の影響で、山火事のリスクはさらに高まると予測されています。その中で、予防の最も効果的な方法は「火災を自分ごととしてとらえる意識」を持つこと!自分の行動1つが大きな火災につながることを覚えておき「面倒でも火の始末を確認する」「風のある日はたき火を中止する」といった判断ができるようになりましょう!
また、定期的に家族や周囲の人と防火ルールを確認したり、火の扱いに関する子どもの教育をしたり。日常に防災意識を組み込む工夫も大切です。
アウトドア用品は、山火事発生時にも役立つ実用性の高いものばかり。日頃からキャンプや登山で使い慣れた装備は、いざというときに「使える備え」になり避難生活の不安を大幅に軽減できます!
- 災害時の必需品
- 水と食事の確保に役立つグッズ
- 快適な避難生活を支える装備
- 安全確保に欠かせないツール
- 運搬や保管に便利な収納用品
まずは上記のようなアウトドア用品を揃えて、楽しみながらできる防災訓練で使い慣れてみませんか?アウトドアを通じて「慣れた道具」と「慣れた行動」を生活に溶け込ませて、いざというときも迷わず行動できる「本当に使える防災力」を身につけましょう。






















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