洪水に備える!避けるべきNG行動とアウトドア用品でできる賢い対策

Flood Preparedness
SUNDAY MOUNTAINの防災特集

洪水で被害にあう前に、きちんとした備えをしたいと思いませんか?

洪水にはさまざまな前兆があり、知識もグッズも備えないままだと発生時に避難すら難しくなるかも!今すぐ何をすべきか分からないままでいると、いざというときにあなたや大切な家族の命が守れません。

ここでは、

洪水が起きるサインって?
洪水の避難計画ってするべき?
非常持ち出し袋の中身は何が必要?

と気になるあなたへ、現在の水害状況や家の外・中でできる洪水対策をご紹介。実際に洪水が起きたときは、どのように行動すれば良いかもわかりやすくお伝えします。

防災にも日常にも役立つ「アウトドア用品」もチェックしながら、あなたと家族の命を守るための備えを万全にしましょう!

  1. なぜ今、洪水への備えが必要なの?
    1. 気候変動による豪雨が増加しているから
    2. 都市型洪水が発生しやすくなっているから
    3. 大きな洪水被害によって教訓が生まれたから
  2. 洪水になりやすい気象現象は?
    1. 長時間の豪雨と線状降水帯の発生
    2. 雲の形や空模様の変化
    3. 川の水位が急激に上がる
    4. 地盤のゆるみや地鳴りの音
  3. 家の外でできる洪水への備え
    1. 浸水を防ぐための設備を整える
    2. 排水経路をキレイにしておく
    3. 下水の逆流対策を忘れずに
  4. 家の中でできる洪水への備え
    1. 電化製品や貴重品は高所へ
    2. 家具を固定して浮遊を防ぐ
    3. 垂直避難のルートを確保
    4. 避難場所と避難ルートを確認
    5. マイ・タイムラインの作成で行動を明確に
    6. 自分で行動できない人の避難対策を考える
  5. 非常持ち出し品と備蓄リストで備えを万全に!
    1. 基本の非常持ち出し品一覧
    2. 飲料水や食料はローリングストック
    3. 備蓄品は管理と定期チェックが必須
    4. アウトドア用品が心強い味方になる
  6. 洪水発生時は命を守る行動を!
    1. 避難のタイミングと判断基準
    2. 安全な避難ルートと交通手段
    3. 最新の水害情報の入手方法
    4. 避難時の最適な服装と装備
  7. 洪水時に気をつけたいNG行動
    1. 絶対にやってはいけないこと
    2. フェイクニュースに騙されない
  8. 防災にも日常にも使えるアウトドア用品をGETしよう!
    1. 防災用アウトドア用品を選ぶコツ
    2. 洪水の備えに役立つアウトドア用品5選
      1. スポット400|Black Diamond
      2. ノローナコミューター35Lパック|NORRONA
      3. ビーフリーAC 1.0L|KATADYN
      4. クレイドル No14|鎌倉天幕×B:MING
      5. バッテリー10000mAH|NESTOUT
  9. 防災意識をみんなで高めよう!
    1. 家庭で子どもに楽しく防災教育をする
    2. ハザードマップで自宅の危険性を確認する
    3. 地域との連携で防災コミュニケーションを取る
  10. 今こそ備えを「日常」に変えるチャンス!

なぜ今、洪水への備えが必要なの?

flood

洪水は、近年の気象状況の変化によって日本各地でリスクが確実に高まっています。もはや、一部の地域や特定の時期だけに発生するものではありません。

その理由は「気候変動」「都市の拡大」「被害からの教訓」の3つ!それぞれを詳しく見ながら、あなたも洪水対策の重要性を知りましょう。

気候変動による豪雨が増加しているから

地球温暖化の影響で、日本ではここ数十年で「線状降水帯」「局地的集中豪雨」などの異常気象が頻発するようになっています。

気象庁によると、年間の総降水量は過去約130年間でほぼ変化していないものの「極端な大雨の発生頻度」は増加傾向とのこと。

climate_change

※出典元:日本の気候変動2025|文部科学省 気象庁(2025年4月時点)

豪雨が増えている以下のような原因から、これまで洪水とは無縁だった地域も浸水や冠水が起きるようになっています。

要因内容
地球温暖化の進行大気中の水蒸気量が増加し、雲が発達しやすくなる
台風の大型化・長寿命化海水温上昇により台風が強力になり、
広範囲に大雨をもたらす
線状降水帯の頻発発達した積乱雲が帯状に連なることで、
同じ場所に長時間雨が降り続ける

これまでの雨では問題なかった排水設備も、限界を超えるケースが増加中!「今まで大丈夫だった」が通用しない時代になっています。

都市型洪水が発生しやすくなっているから

都市化が進んだことで、自然の地形や土壌がコンクリートやアスファルトで覆われ雨水が地面に染み込まなくなりました。この状態も洪水が増える理由。短時間に大量の雨が降ると、排水設備が処理しきれず道路や地下施設に水があふれる「都市型洪水」が発生します。

  • 地下構造物に取り残される:地下街や地下鉄に水が流れ込むため
  • 排水機能が限界を迎える:雨水桝や下水管が短時間で容量オーバーに
  • 道路の冠水で足場を失う:浅く見える水の下で、マンホールが開いていたりアスファルトが崩れている

都市部は上記のような危険が多く、生活インフラが密集しているので被害が広がりやすくなっています。特に、夜間や通勤時間帯の都市型洪水は、重大な交通の混乱や避難遅れを招きます。

大きな洪水被害によって教訓が生まれたから

過去の大規模な洪水被害は、多くの命を奪い深刻な物的損害をもたらしてきました。例えば、以下のような災害から洪水に対するたくさんの教訓が生まれています。

年度災害名・地域主な教訓
2020年熊本豪雨(球磨川氾濫)避難のタイミングが遅れ多数の高齢者が犠牲に。
垂直避難やマイ・タイムラインの重要性を再認識。
2019年台風19号(東日本)ハザードマップの危険エリア以外の地域で被害。
地図の確認だけじゃなく実行が重要だと判明。
2018年西日本豪雨(広島・岡山など)避難指示を見逃した人の多さが問題に。
情報の受け取り方や判断力の育成が課題に。

※参照元:(2025年4月時点)
令和2年(2020年)7月豪雨災害対応検証記録|熊本県人吉保健所
令和元年台風第19 号等を踏まえた水害・土砂災害からの避難のあり方について|中央防災会議 防災対策実行会議
地域防災実践ノウハウ(97)|一般財団法人消防防災科学センター

過去の被災地の人々は「まさか自分が」と思っていたケースが多く、洪水は誰にとっても他人事ではありません。これらの災害は「備えていなければ、いつか必ず後悔する瞬間が来る」という心がまえを再認識させてくれました。

洪水になりやすい気象現象は?

洪水は突然起こるものではありません。発生にはいくつかの前兆となる気象現象があり、空・川・地面など自然そのものが発するサインを知っておくと被害が最小限に抑えられます。

  • 長時間の豪雨と線状降水帯の発生
  • 雲の形や空模様の変化
  • 川の水位が急激に上がる
  • 地盤のゆるみや地鳴りの音

それぞれの特徴を詳しく知って、洪水リスクが高まる前に予兆に気づけるよう日頃から観察力を養い、いざという時に迷わず行動できる備えをしておきましょう。

長時間の豪雨と線状降水帯の発生

洪水の最も大きな原因は、長時間にわたる豪雨です。特に近年は「線状降水帯」と呼ばれる現象の発生が急増しています。

線状降水帯とは、積乱雲が帯状に連なって同じ地域に次々と発生する気象現象。1時間に50mm以上の非常に激しい雨を降らせ、河川の氾濫・土砂災害・都市部の浸水を引き起こします。

線状降水帯が発生すると、地域によっては1時間で100mmを超える雨が数時間続くことも!下水道や側溝などの排水設備が追いつかなくなり、洪水を招きます。

気象庁では2021年から「線状降水帯予測情報」の提供がスタートし、より早く事前の避難判断に活用できるようになりました。

雲の形や空模様の変化

気象予報だけでなく、目で見る空の様子も洪水の前兆を知るヒントに。洪水の前には以下のような独特な雲や空模様が観察されます。

  • 黒く厚い雲が急速に広がる
  • ムシムシとした湿った空気感が増す
  • 空が異常に暗くなる(昼間でも薄暗い)
  • 風が止まり、不気味な静けさが広がる

こうした変化は積乱雲の発達や大気の不安定化が進んでいるサイン。特に、夕方から夜にかけて出現したときは夜間の洪水発生リスクが高くなります。天候の小さな変化に敏感になれば、自衛につながります。

川の水位が急激に上がる

川や用水路の様子も、洪水の前兆を察知する大切なポイント。特に、上流域での大雨が原因で、短時間で川の水位が急上昇するケースがとても多いです。

以下のようなサインを見つけたら要注意!

現象意味
水の流れが速くなる上流での豪雨により水量が増加している証拠
水面が濁る木くずが混ざる土砂や流木が混入していると氾濫の前兆
川の音が急に大きくなる水位上昇による流速の増加

川の水位は、下流に住んでいても上流の降水量によって数十分後に急変するおそれがあります。自治体の「河川水位情報」や国土交通省の「川の防災情報」などを活用し、最新の水位データをチェックしておくと安心です。

地盤のゆるみや地鳴りの音

洪水と無関係なように思える「地鳴り」や「地面の揺れ」も、実は危険が迫っているサイン!特に、地盤がゆるんでいるときは土砂災害が同時に発生するリスクがあり、洪水と連動して被害が拡大するおそれがあります。

  • 斜面から水が染み出してくる
  • 小石や枝が無音で落ちてくる
  • 地面がじわじわと動いているように感じる
  • ゴロゴロという不自然な地鳴りが聞こえる

上記のような地盤のゆるみを示す現象は、地滑りや崖崩れの直前に発生するケースも。すぐにその場から離れ、より安全な場所に避難する判断が求められます。

家の外でできる洪水への備え

洪水から自宅を守るために、まずは家の外でできる物理的・機能的な対策をしましょう!

洪水は家の中に水が入り込んでからでは、対処が困難。実際、住宅への浸水被害の多くは「水の侵入経路が適切にふさげていなかった」「排水機能が正常に働かなかった」ことによって発生しています。

  • 浸水を防ぐための設備を整える
  • 排水経路をキレイにしておく
  • 下水の逆流対策を忘れずに

それぞれの備え方を詳しく知って、家の外で「第一の防波堤」を作ってくださいね。

浸水を防ぐための設備を整える

sandbag

洪水時に最も水が侵入しやすいのは、玄関・勝手口・車庫などの開口部。これらの場所を物理的にガードすると、室内への浸水が大きく軽減できます。

設備名概要特徴
土のう袋に砂を詰めて積み上げる止水装置安価で入手しやすい
準備に手間と保管場所が必要
簡易吸水土のう水に浸けるだけで膨張
重くなる素材で作られた袋
軽量・コンパクト
女性や高齢者でも扱いやすい
止水板開口部に取り付ける防水用パネル再利用可能で設置が簡単
デザイン性が高い製品もある
防水シート建物の基礎周辺や開口部に巻いて
浸水を抑制
応急処置的に使える
固定が不十分だと効果が下がる

このような設備は、大雨や台風の予報が出た時点で素早く設置できるよう普段から準備と練習をしておくと安心。地盤が低い地域や浸水が起きやすい地域では、外構工事で建物の土台をかさ上げする対策も検討すると良いでしょう。

排水経路をキレイにしておく

drainspout

洪水被害は、雨水の排水がうまくいかないという原因がほとんど。排水経路が詰まっていると少量の雨でも滞留して浸水につながるので、排水機能をキープするために、以下のような場所を常にキレイにしておきましょう。

  • 側溝やU字溝
  • 敷地内の排水ます(雨水ます)
  • 雨どい(のきどい・たてどい)
  • ドレン(ベランダや屋上の排水口)

特に、落ち葉や土砂がたまりやすい秋、台風シーズン前後は清掃を念入りに。自分でキレイにできない箇所は、清掃業者や住宅メンテナンスサービスに依頼するのも1つの手です。

清掃だけじゃなく「水の流れ方」を日頃から確認しておくことで、トラブルの早期発見にもつながりますよ。例えば、雨が降ったあとに一部分だけ水がたまっているときは、勾配不良や排水不良のおそれがあります。

下水の逆流対策を忘れずに

Countermeasures against backflow

洪水が起きたあとに危険なのが下水道からの逆流。事前に対策をしておくと、室内の汚水汚染が防ぎやすくなります。

大雨によって以下のような兆候が現れると、下水管に大量の雨水が流れ込み水圧でトイレや排水口から水が逆流!

  • トイレや浴室の排水が遅くなる
  • 排水口や便器から異臭が上がる
  • 排水口から「ゴボゴボ」と異音がする

対策として、以下のような方法が効果的です。

  • 排水溝を封鎖:ビニール袋に水を入れて重しとし、排水口に被せる
  • 逆流防止弁を設置:排水管に取り付け、逆流を物理的に遮断
  • トイレに水のうを設置:便器内に水を張った袋を置いて水圧による逆流を抑制
  • 排水管を定期的に点検:高圧洗浄や点検で配管内の詰まりや異常を早期に把握

下水の逆流は、室内の水害被害の中でも衛生的リスクが高いもの。復旧にも時間がかかります。事前に簡易的な方法を用意しておくだけでも、被害が大きく減らせるので忘れずに対策をしておきましょう。

家の中でできる洪水への備え

洪水から命と財産を守るために、室内での被害を最小限に抑える環境を整えておきましょう!特に、突然の豪雨や夜間の洪水は屋内での備えと迅速な判断が被害の大きさを左右します。

  • 電化製品や貴重品は高所へ
  • 家具を固定して浮遊を防ぐ
  • 垂直避難のルートを確保
  • 避難場所と避難ルートを確認
  • マイ・タイムラインの作成で行動を明確に
  • 自分で行動できない人への避難対策を考える

上記の具体的な対策を詳しく知って、家の中に「見えないバリア」を張ってくださいね。

電化製品や貴重品は高所へ

consumer electronics

洪水による床上浸水が発生すると、床面から50cm〜1mの高さにある家電製品・家具・コンセントが水没するリスクが高まります。濡れて困るものはあらかじめ高い位置に移動させておきましょう。

家電製品冷蔵庫やテレビは可能であれば2階に
コンセントは延長コードで高所へ
貴重品類現金、通帳、印鑑、保険証書など
防水袋に入れて2階へ保管
デジタルデータ類外付けHDD、USBメモリなどの小型なもの
防水ポーチに収納

停電によるデータ消失や感電事故を防ぐため「定期的にバックアップを取る」「電源プラグを抜いておく」などの管理も重要です。

家具を固定して浮遊を防ぐ

Furniture Fixing

浸水が進むと、家具や家電が水に浮かんで倒壊や衝突の危険が高まります。重量のある家具でも、床が水で覆われれば動いてしまうので転倒やけがの原因に!以下のような効果的な方法で固定しましょう。

  • 壁と家具の間にL字金具を取り付けて固定
  • 食器棚や引き出しに開閉防止のロックを設置
  • 滑り止めシートや粘着式グッズを家具の脚下に使用

あなたが避難時に立ち寄る可能性が高い部屋はどこですか?寝室や子ども部屋など、優先したいところから安全を確保してくださいね。

垂直避難のルートを確保

vertical evacuation

洪水の状況によって、屋外への避難が困難な場合も。そんなときは2階以上の安全な場所へ逃げる「垂直避難」が有効です。

  • 非常持ち出し品や飲料水を2階に用意しておく
  • 自宅の2階・ロフト・屋根裏スペースを常に使える状態にしておく
  • 手すり付きの階段や折りたたみ式ハシゴを設置してアクセスを確保する

一時的にしのぐための避難スペースとして、畳1枚分でも物を置かずに空間を確保しておくのが理想です。

避難場所と避難ルートを確認

evacuation route

洪水時は、自宅から避難所へ向かうときルートや移動手段が大きく制限されます。道路の冠水や土砂崩れなどによって通行できないかもしれません。

このような避難計画をしておくと、いざというときに迅速に移動が可能!

  • 避難所の場所:自宅〜徒歩圏内の複数の避難所(自治体HPやハザードマップ参照)
  • 移動手段:徒歩、自転車、自動車でシミュレーション
  • 通行可能なルート:河川・用水路・地下道を避ける

事前に複数の経路を確認しておき、時間帯や天候によって使い分けられるようにしておきましょう。

マイ・タイムラインの作成で行動を明確に

My Timeline

洪水時、1人ひとりが「いつ・何をするか」を把握できるように「マイ・タイムライン」を作成しましょう。避難の判断と行動を時系列で整理した個人や家族ごとの計画表のことで、避難のタイミングを逃さず安全に行動するための有効な手段です。

マイ・タイムラインの作り方は、国土交通省や各自治体が提供する「デジタル・マイ・タイムライン」アプリや「マイ・タイムライン作成シート」を活用するのがおすすめ。以下のような情報をまとめながら、家族全員で作ってみましょう。

  • ハザードマップでの自宅リスク
  • 気象情報や警戒レベルに応じた行動
  • 避難所の開設タイミングと移動の可否の判断基準
  • 高齢者、子ども、ペットの対応を含めた家族全体の動き

作成後は、冷蔵庫や玄関ドアに貼ったりスマホに保存したり。常に見える場所に置いておくと、緊急時に迷わず行動できます。

※参照元:マイ・タイムライン|国土交通省(2025年4月時点)

自分で行動できない人の避難対策を考える

infants

高齢者・障がい者・乳幼児など、自力で避難が難しい人(要配慮者)は家族の中にいませんか?もし不安なら、以下のような工夫をしながら通常の避難計画とは別の備えをしておきましょう!

  • 避難行動要支援者名簿に登録する(自治体で申請)
  • 担当者や隣人と連携して避難サポート体制をつくる
  • 移動補助具(車椅子、担架など)や介助者を確保する
  • 必需品(薬、専用食、衛生用品など)をまとめた専用バッグを常備する

「誰が、いつ、どうやって避難をサポートするか」を家族内ではっきりさせておくと安心。避難の遅れが防ぎやすくなります。

非常持ち出し品と備蓄リストで備えを万全に!

disaster prevention goods

洪水などの自然災害に備えるために「避難時に持ち出すべきもの」と「自宅での生活を維持するための備蓄」の両方を準備しましょう!

特に、洪水は発生時の移動が難しく、限られた時間での持ち出しと自宅内での待機の両方を見込んだ準備が重要です。

基本的なアイテムや災害時に役立つ備え方を詳しく知って、継続的に備えられる「安心」をあなたの日常にしてくださいね。

基本の非常持ち出し品一覧

非常持ち出し品とは、災害時に安全な場所へすぐに避難するために持ち運びやすく最小限にまとめた緊急用の持ち出しアイテムのこと。中身は家族構成・体調・ライフスタイルによって異なりますが、最低限以下のようなものはそろえておくと安心です。

カテゴリ内容例(大人1人分)
食料・水飲料水(500ml×2本)、携帯食(カロリーメイト、栄養バーなど)
情報・通信携帯ラジオ、モバイルバッテリー、筆記用具、充電ケーブル
衛生・健康常備薬、マスク、ウェットティッシュ、生理用品、救急セット
衣類・防寒下着、靴下、レインコート、タオル、アルミブランケット
避難生活用品簡易トイレ、懐中電灯、軍手、笛、スリッパ
書類・貴重品保険証コピー、身分証明書コピー、現金(小銭含む)

小さな子どもや高齢者がいるなら、おむつや介護用品なども追加を。また、荷物は両手が空いて安全に行動しやすいリュック型にまとめるのが理想です。

飲料水や食料はローリングストック

備蓄の基本は飲料水と非常食。特に、洪水時には物流が止まりやすく、数日間自宅に閉じ込められるおそれがあるので、1人あたり最低3日分、理想は7日分の備えが必要です。

項目1人1日あたりの目安
飲料水約3リットル(料理・飲用含む)
食料2000kcal程度

これらの水や食べ物は「ローリングストック」で効率よく管理!日常的に消費する食料品を少し多めに買い置きし、古いものから使い、新しいものを補充して常に一定量をキープする方法です。

例えば、

  • レトルトご飯やスープ
  • 常温保存可能な豆乳やジュース
  • 缶詰(サバ、野菜、フルーツなど)

など、普段の食事にも使えるものを中心に備えるとムダなく備蓄が続けられます。

備蓄品は管理と定期チェックが必須

備蓄品は用意して終わりではありません。定期的にチェックして、正常に使える状態をキープしましょう!特に、食品・電池・医薬品などは期限があるので放置しているといざという時にほかのトラブルを引き起こしてしまいます。

食品・水の賞味期限半年ごとに確認
期限が近いものから日常で消費
電池・照明機器使用期限と残量を確認
スペアの確保も忘れず用意
医薬品成分の変質がないかを確認
使用法のメモも添付すると安心
非常持ち出し品季節や家族構成の変化に応じて中身を見直す

チェックのタイミングは、特定の日を決めておくとGOOD!例えば「年末の大掃除」「防災の日(9月1日)」「防災とボランティア週間(1月15日前後)」など。習慣化すると忘れにくく、防災に対するモチベーションも保てますよ。

アウトドア用品が心強い味方になる

outdoor_gear

最近注目されているのが、アウトドア用品を防災グッズとして活用する方法です。登山やキャンプ向けのギアは、もともと災害時と似た環境での使用を想定して作られたもの。防水性・耐久性・携帯性に優れたものが種類豊富にあります。

アウトドア用品(例)防災での用途
ヘッドライト夜間の避難や停電時の照明に
防水リュック非常持ち出し袋として使用、雨でも安心
携帯浄水器飲料水が不足した時のろ過用
折りたたみチェア避難所での長時間待機による腰痛防止
ポータブルバッテリー停電時の通信手段の確保、照明への給電

アウトドア用品は日常でもレジャーでも使えるので「使いながら備える=フェーズフリー」で選ぶと、収納場所の有効活用にもつながりますよ。洪水に役立つ具体的なアイテムは下記にて詳しく紹介しますね!

洪水発生時は命を守る行動を!

outbreak of flooding

洪水に備える知識を身につけたら、次は洪水が発生したときに命を守る方法を知っていきましょう!

最も大切なのは、正しい情報に基づいて迷わず行動すること。洪水は状況が急変するおそれがあり、迷っている時間が命取りです。

  • 避難のタイミングと判断基準
  • 安全な避難ルートと交通手段
  • 最新の水害情報の入手方法
  • 避難時の最適な服装と装備

それぞれを詳しく確認しながら、冷静に判断し、最善の行動を取れるように備えてくださいね。

避難のタイミングと判断基準

洪水の危険が迫っているときは「今避難すべきか」「もう少し様子を見るか」で迷いがち。避難のタイミングと判断基準を知っておくと、危険が迫ってからの行動じゃなく早めの避難で命を守る可能性が高くなります。

政府が示す「警戒レベルと避難行動」の目安を見てみましょう。

警戒レベル行動内容対象者・備考
レベル1気象情報に注意防災情報の収集を始める
レベル2避難行動の確認避難所や避難経路を再確認する
レベル3高齢者等は避難避難に時間がかかる人は避難開始
レベル4全員避難速やかに安全な場所へ避難する
レベル5命を守る最終行動すでに災害発生中、即座に安全確保

レベル3の段階で高齢者や障がい者などは先に避難し、レベル4で全員が避難を完了している状態が理想!警戒レベル5(緊急安全確保)が発令されたら「逃げる」以上の命を守る行動が必要です。

※緊急安全確保とは(内部リンク)

安全な避難ルートと交通手段

洪水時は通常の道が使えなくなるかもしれません。以下のように、安全に避難できるルートと手段を事前にいくつかイメージしておきましょう。

避難ルート
  • 高低差が少ないところ
  • 停電時でも移動しやすいところ
  • 河川、用水路、地下道が少ないところ
交通手段
  • 徒歩:冠水時は転倒または流されるが、渋滞や通行止めに影響されない
  • 自転車:路面の滑りや視界不良に注意だが、移動が早い
  • 自動車:冠水路を走るとエンストや流される危険があるが、大量の荷物が運べる

最も安全なのは徒歩による避難ですが、道路が冠水していると靴の選択や歩き方にも工夫が必要。車での避難は早い段階でなければリスクが高まるので、警戒レベル3以前に出発するよう意識しましょう。

最新の水害情報の入手方法

的確な判断を下すには、正確な情報の入手が欠かせません。SNSでの情報拡散が多い現代ですが、以下のような信頼できる公式情報源を優先して確認するようにしましょう。

気象庁キキクルリアルタイムの洪水や土砂災害などの危険度分布
自治体の防災サイト避難所の開設状況、避難指示の発令情報など
Yahoo!防災速報GPS連動で地域ごとの災害情報を即時通知
NHK防災アプリテレビと連動した信頼性の高い情報提供
ラジオ(電池・手回し)停電時でも情報が受信可能

情報は「早く、正確に、必要なものだけ」を意識して取り入れ、誤情報やフェイクニュースに踊らされないよう注意が必要です。

避難時の最適な服装と装備

洪水発生時の避難は「動きやすさ」と「安全性」を両立した服装がベスト。特に、水の中を歩くおそれがあるときは、服装ひとつで生死が分かれます。

長袖・長ズボン虫刺されや水中の異物から肌を守る
レインコート傘より両手が使えるレインウェアが理想
運動靴または長靴滑りにくく、水にも強いタイプが最適
ヘルメットまたは防災ずきん落下物や転倒時の頭部保護に必要
手袋(軍手)障害物の除去や壁づたいの歩行に有効
懐中電灯・笛夜間の移動や助けを呼ぶ際に役立つ

適切な服装と装備をすると、避難中のストレスやリスクも大幅減!中でも、夜間や雨天時の避難では、視界不良と足元の不安定さに備える装備が命を守ります。

洪水時に気をつけたいNG行動

NG behavior

洪水が発生すると、恐怖や混乱から本来避けるべき危険な行動をとってしまう人が少なくありません。事前にNG行動を覚えておき、冷静で正しい判断ができるように備えておきましょう!

絶対にやってはいけないこと

洪水時は、知らずにとってしまう行動が命に関わります。以下は、洪水発生時に「絶対にやってはいけない」代表的な行動です。

NG行動なぜ危険なのか
冠水した道路を車で走るわずか30cmの水深でも車は浮き、流される
冠水道路を徒歩で渡る水の流れに足を取られて転倒・流される
様子を見るために川や用水路に近づく急な増水や地盤の崩壊に巻き込まれる
停電後に電気製品をすぐ使用する浸水していると通電火災発生または感電する
屋根に上って救助を待つ強風や余震で転落する

特に注意したいのは「自分は大丈夫」と思い込むこと。水の深さや流れの強さは視覚では正確に判断できず、たった数秒の判断ミスが命取りになります。事前にこれらの行動を避けるよう家族で共有し、判断力が鈍る災害時でも正しい行動が取れるようにしてくださいね。

※参照元:発災時のNG行動|LINEヤフー株式会社(2025年4月時点)

フェイクニュースに騙されない

洪水発生時は、SNSやネット上にさまざまな情報が飛び交います。でも、中には信憑性のない誤情報や意図的に不安を煽るようなフェイクニュースも。誤った判断につながらないよう、以下のポイントをチェックしましょう!

情報元は正しいか公式機関(気象庁、自治体、報道機関)発信の情報かを確認
日付・時間は現在のものか古い災害情報を再共有している可能性がある
写真や動画の出所は明らかか他国や過去の災害の映像が誤って拡散されているケースがある
チェーンメール的な文面じゃないか「拡散してください」「◯◯からの情報」など曖昧な文言に要注意
SNSでの拡散前に公式サイトを確認したか情報を広める前に公式の発表と照らし合わせて信頼性を確認する

特にX(旧Twitter)やLINEで広がる情報は感情的な内容が多く、事実と異なる情報が混じりやすくなっています。こうした情報に流されず、複数の公式情報を常にチェックすると良いでしょう。

また、フェイクニュースによって不安が煽られると、不必要な避難行動や買い占めなどの二次的な混乱を引き起こすかもしれません。自分だけじゃなく周囲の冷静な判断を促す意味でも、誤情報を正しく見極める力を養いましょう。

防災にも日常にも使えるアウトドア用品をGETしよう!

outdoor gear

災害時は「防災グッズ」を備えるのが大切。でも、いざという時のためにしまっておくだけでは意味がありません。

いま注目されているのは、日常でも使えるアウトドア用品を防災対策に活用する方法!キャンプや登山で「使い慣れているグッズ」は、災害時に「使いこなせるグッズ」になってくれます。

防災用アウトドア用品を選ぶコツ

アウトドア用品を防災品として使うときは「災害時でも安心な性能」と「日常的に使いやすいデザイン・利便性」が選定のポイント。実際は「使ってみたいかどうか」「日常で使いこなせそうか」も大切です。

以下のポイントを押さえて選ぶと、日常と非日常の両方に対応できる「フェーズフリーな防災用品」がそろえられます。

チェック項目内容
防水・耐久性があるか雨や水害に強く、繰り返し使える頑丈な素材
軽量・コンパクト設計持ち運びやすく、避難時に負担にならないもの
多機能性があるか1つで複数の用途を兼ねるもの(例:ライト+充電器)
非電源環境でも使えるか停電時でも使える手動式やバッテリー内蔵タイプが理想
メンテナンスや交換が簡単か長期保存・定期使用を前提とした
パーツの交換や清掃がしやすい設計

例えば、ヘッドライトなら懐中電灯よりも両手が使えて便利。防水バックパックは非常持ち出し袋としても大活躍。アウトドアチェアや折りたたみテーブルは、避難所生活での疲労軽減に役立ちます。

キャンプ用のシングルバーナーやポータブル浄水器などは、ライフラインが止まったときにも役立ちます。災害時に初めて使うのではなく、普段から使い慣れておくことでいざというときにも安心して使えるものを選びましょう。

洪水の備えに役立つアウトドア用品5選

国内最大規模のアウトドア用品店「サンデーマウンテン」が、洪水対策として備えてほしいアイテムを5つご紹介!いずれも、信頼性の高いブランドの正規品なので安心。13時までの注文は営業日なら即日発送でき、あなたの手元にすぐに届きます!

スポット400|Black Diamond

headlight

防水仕様のヘッドライト。避難しながら両手が自由に使えるので安全です。カラーは7種類あり、赤色で暗闇を見やすくするナイトビジョン機能も搭載。ヘッド部分の電池交換が簡単なのも魅力です。

ノローナコミューター35Lパック|NORRONA

waterproof backpack

頑丈な500デニール・リサイクル・ポリエステル素材を使用した防水性の高いバッグ。背中に触れる部分は立体的で背中の形にフィットしやすく、ムレを軽減。背中に密着するので荷物の重さを均等に分散します。長時間の避難時に、疲労軽減や汗ムレ防止にも役立ちます。

ビーフリーAC 1.0L|KATADYN

water filter

ホロファイバーフィルターと活性炭フィルターの2段階浄水システムを搭載。川や湖の水を、安全で美味しい飲み水に変える浄水器。パーツごとに分解できるので、清潔に洗いながら繰り返し使えます。

クレイドル No14|鎌倉天幕×B:MING

folding chair

ハイ、ロー、ゆりかごのようにもくつろげる折りたたみチェア。倒れにくいフレームバランスと長時間の使用でもへたりにくい強さで、約1kgの軽さも魅力的。幅36cmほどのコンパクト収納とショルダーベルト付きで、避難時にラクに持ち運べます。

バッテリー10000mAH|NESTOUT

Mobile battery

防水・防塵・耐衝撃に優れたモバイルバッテリー。JIS保護等級IP67相当の防水防塵性能をもち、水ぬれから本体を守りつつ、スマホ約3.3回分の充電やLEDランタンなどに接続して使えます。

防災意識をみんなで高めよう!

hazard map

洪水などの自然災害は、いつ、どこで誰の身に降りかかるか分かりません。だからこそ、個人の備えだけじゃなく家庭や地域全体で防災意識を高めていくことが大切!被害の軽減と迅速な避難行動に直結します。

防災意識を高める具体的な方法をチェックしながら、みんなの命を守れるようになりましょう!

家庭で子どもに楽しく防災教育をする

防災対策の重要性は大人だけじゃなく、子どもの理解も必要です。でも「災害=怖いもの」として伝えるだけでは不安を与えるだけ。以下のような工夫を凝らしながら、楽しさや学びを交えた自然な防災教育をしてみませんか?

防災すごろく
防災かるた
遊びながら災害時の行動や備えについて学べる
アニメや絵本年齢に応じたストーリー形式で理解しやすい
避難ごっこ
非常持ち出しリュック体験
実際の避難行動をシミュレーションしながら体験できる
クイズ形式の家庭防災会議家族で一緒に「もしもの時」を話しながら楽しく学べる

遊びや体験を通じて、子ども自身が「防災は自分のこと」として意識できれば大成功。実際の災害時に、落ち着いた行動がとりやすくなります。

ハザードマップで自宅の危険性を確認する

防災意識を高めるため、自分の家や職場がどのような災害リスクに晒されているかを把握しましょう。おすすめの活用ツールは、自然災害のリスクを示した地図「ハザードマップ」です。

種類表示されるリスク
洪水ハザードマップ河川の氾濫時の想定浸水区域、浸水深、避難所の位置
土砂災害マップ土石流やがけ崩れの危険区域
地震防災マップ液状化のリスク、建物倒壊の想定

市区町村の公式サイトや、国土交通省の「重ねるハザードマップ」などで無料で閲覧可能。印刷して冷蔵庫や玄関に貼っておくと、家族全員がいつでも確認できるようになります。いざというときに正しく危険性が確認できるよう、引っ越しや子どもの進学などライフスタイルが変わったタイミングで、改めて自宅の災害リスクを見直しておきましょう。

地域との連携で防災コミュニケーションを取る

あなたや家族での備えに加えて、地域全体で防災意識を共有しましょう。実際の災害時に大きな力になります。特に、高齢者や障がい者などの「避難行動要支援者」がいる場合は地域で助け合う体制を作っておくと安心です。

活動内容目的
自治会・町内会の防災訓練実際の避難経路確認や消火器使用などを体験し学ぶ
防災マップの作成地域特有のリスクや避難所の場所を住民同士で共有
防災リーダー制度の活用災害時に情報伝達や避難誘導を担う人材を育成
避難支援名簿の整備要支援者を事前に把握し、サポート役を決めておく

最近は、LINEなどのSNSグループを活用した防災情報共有や「声かけ訓練」などの親しみやすい取り組みも増加中。形式的な訓練だけじゃなく、日頃の雑談の中から「もしもの時どうする?」という話題を共有できる関係性が、災害時の大きな支えになります。

今こそ備えを「日常」に変えるチャンス!

洪水などの水害は、いつ・どこで発生してもおかしくない時代になりました。でも、防災は決して難しいことではありません。情報を集め、家の外と中を整え、避難行動を具体的に計画し、家族や地域と共有すると命を守る力が日常の中で身につきます。

注目したいのは、防災と日常をつなぐ「アウトドア用品」の活用!普段から使えるアウトドアギアを活用して「しまい込む備え」じゃなく「使いながら整える備え」を実現しましょう!非常時にも信頼できる“防災ギア”として、あなたと家族の命を支えます。

サンデーマウンテンでは、厳選された防災対応アウトドア用品を多数取り揃えています。信頼性の高いブランドの正規品と、日常生活にもなじむデザイン。災害時の頼もしさを兼ね備えたアイテムで、今日から「使える備え」を始めませんか?

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SUNDAY MOUNTAIN とは

アウトドアを楽しんでいるイメージ

自分らしさを見つけて、自分らしく過ごす

SUNDAY MOUNTAINは自分らしくアウトドアを楽しむための
最高の体験を提供するショップを目指しています。
誰かと同じでなくても良い。楽しみ方は多種多様です。
SUNDAY MOUNTAINは出来るだけ多くのお客様に楽しんで頂けるように
様々なアイテムを取り揃えています。
SUNDAY MOUNTAINが考える「Outdoor Wellbeing」とはそれは、
当店に遊びに来ていただいたみなさんが
アウトドアを通して心も体も健康になり、人生が豊かになるということ。
創業当時よりずっと変わらないSUNDAY MOUNTAINの想いです。