在宅避難を前提にした備蓄。今の備えがあなたの暮らしに合っているか、少しだけ確認してみませんか?
防災の準備はしているつもりでも「防災セットを買っただけ」「非常食と水が少しあるだけ」という方は少なくありません。でも、災害が起きたあとに大切なのは、数時間をしのぐことはもちろん、自宅で心と体を守りながら生活を続けること!
ここでは、
「なにをどれくらい備蓄すればいい?」
と気になるあなたへ、災害時に家での暮らしを支える最低限リストをご紹介!国内最大規模のアウトドアショップ「サンデーマウンテン」が、家族構成や暮らし方に合わせた備え方まで順を追ってお伝えします。
ムダなく続ける備蓄術や、最低限ではないけれどあると助かる防災グッズもチェックしながら、在宅避難に強い防災の備えをスタートさせましょう!
1人ずつに合わせた備蓄が最後の心強い味方に!

備蓄は心と体を守り続けるベースアイテム
防災の基本は、電気・水道・ガスなどのライフラインが止まっても、自分のペースで生活を続けられるようにしておくこと。そんなとき、以下のように防災の土台として支えになってくれるのが家庭の備蓄です。
- 水分とカロリーをとれる
- 夜も明かりがあってケガをしにくい
- 体を拭く・歯を磨くなどの衛生が保てる
- 災害時の判断や準備のストレスが減る
- 「これだけあれば大丈夫」というゆとりが生まれる
- 家族全員の安心感が高まり、気持ちを整えやすくなる
「備蓄」と聞くと、なんとなく水と非常食を買っておけばいいイメージがあるかもしれません。でも、実際は「いざという時の自分を助ける」未来への準備。安心の積み重ねが、そのまま家族の日常を守る力になります。
在宅避難を支えるとても大切なもの
最近は「必ず避難所へ行く」のではなく、自宅のほうが安全な場合は「家で避難生活を続ける」という考え方が広がってきました。自治体のガイドでも、自宅が倒壊の危険や土砂災害のおそれがないなら在宅避難を選ぶのも有効と説明されています。
- いつもの生活空間で落ち着きやすい
- 家族やペットと一緒に過ごしやすい
- プライバシーや衛生面を自分たちで調整しやすい
その代わり、避難所のように食料・水・毛布などが配られるわけではありません。コンビニやスーパーに商品が並ばず、外出もできない中で生活の土台になるのが自宅の防災備蓄です。
非常用持ち出し袋との違いは期間
災害の備えの1つに「非常用持ち出し袋」ってありますよね。いざという時に持ち出すための基本セットですが、家庭の備蓄とは役割と使う期間が違います。
非常用持ち出し袋は、地震直後などにすぐ避難するシーンで命を守るための最低限の防災グッズをまとめたもの。数時間〜1日ほどを乗り切るためのライト・笛・モバイルバッテリー・簡易食料などをコンパクトに入れて、玄関近くなどに置いておくのが一般的です。
一方で、備蓄は自宅や避難先で数日〜1週間以上の生活を続けるためのストック。どちらかだけでは不十分で「まず持ち出し袋でしのぎ、そのあと備蓄で生活を続ける」というセットで考えると、防災対策がぐっとレベルアップし、より安心できる形になります。
- 避難の瞬間に持って出る
- 命を守るための「今すぐ必要なもの」
- 自宅や在宅避難で使う
- 生活を続けるための「しばらく必要なもの」
自治体の資料でも、家庭ごとに備蓄品リストを作り、非常用持ち出し品と分けて準備しておくことがすすめられています。
※参照元:備蓄品を整える|消防庁(2025年12月時点)
みんな備蓄ってしているの?

「備蓄が大事なのはわかっているけれど、みんなどれくらい準備しているんだろう?」と気になりますよね。実は、備蓄がしっかり足りている家庭は少数派。防災セットを買っただけで安心してしまい、3日〜1週間分の生活を続けるものがそろえられていないケースが少なくありません。
その理由を、信頼できる調査データをもとに見ていきましょう!
備えている人はいるけど、不足を感じている家庭が多い
内閣府や自治体では、家庭での備蓄をすすめていますが、実際の家庭の防災対策を見ると、十分とは言えない状況。2025年度にミドリ安全株式会社が行った家庭の防災対策実態調査では、防災食(非常食)を「備えている」と答えた家庭は約59.0%にとどまることが報告されています。
さらに、別の全国アンケートでは、災害用食料や飲料水などを十分備蓄している世帯はわずか約13%という数字も出てきました。多くの家庭は「備えているつもり」でも、実際には命と暮らしを守るのに十分な備蓄量ではないことが分かりますよね。
こうした背景には、「コストの問題」「何をどれだけ備えてよいかわからない」「保管スペースがない」といった回答が上がっており、備蓄の「あいまいさ」が根本的なハードルになっているようです。
※参照元:2025年度 家庭の防災対策実態調査|ミドリ安全株式会社(2025年12月時点)
防災セットや防災バッグだけで満足している家庭も多い
災害対策として、コンパクトにまとまった防災リュック(非常用持ち出し袋)を用意している人は一定数います。
ある調査では「防災リュックを準備している」と答えた割合は、およそ5割前後。でも「これだけあれば安心」という考えでは、数時間〜1日をしのぐだけにとどまり災害が長期化したときの備えにはなりません。
例えば「非常食を持っている」と答えていても、3日分・1週間分という最低ラインには届かず。備蓄が足りていない家庭はかなり多く、結果として不完全なままになっていることが統計でも示されています。
さらに「食料や水の備蓄はしていたけれど、賞味期限が切れていた」「トイレ・照明・電源など、生活必需品が抜けていた」という声も多く、持っているだけでは十分と言えない状況。だからこそ、防災対策としては「防災リュック」と「家庭の備蓄」を別ものと考えて、両方の用意が重要です。
※参照元:災害に備えた食品の備蓄に関する実態調査|独立行政法人国民生活センター(2025年12月時点)
防災備蓄として最低限そろえたいもの一覧
防災備蓄として最低限そろえたいのは、命を守るものはもちろん、体調を崩さず混乱した状況の中でも落ち着いて過ごすための土台になるもの。具体的に、まず何を準備すれば良いか、ざっくりと見ていきましょう!
内閣府の家庭用備蓄ガイドで示されている、食料・飲料水・トイレ用品・照明など。これを基準に、アウトドア用品にも詳しい防災の視点から、在宅避難を想定した具体的な備蓄リストをまとめました。
水・食料
水と食料は、備蓄の中で1番大切なもの。災害が起きるとライフラインが止まったり、買い物に行けなくなったりするので、家庭での確保が欠かせません。特に、在宅避難では家にある備えがそのまま生活のしやすさにつながります。
飲料水と生活用水

飲料水は、人が生きていくために欠かせないもの。備蓄量の目安は1人1日あたり約3リットルで、飲む分だけじゃなく、調理や最低限の手洗い用も含まれます。さらに、トイレを流す・体を拭く・顔を洗うなどのときには生活用水も必要です。
水の備蓄を考えるときは、ペットボトルだけじゃなくポリタンクやウォータータンクなどの容器も用意しておくと安心。給水所で水をもらうときも自宅で水をためておくときも使えて、断水時の負担がかなり減ります。
非常食と日常食品

非常食は、長期保存ができる食品を中心にそろえます。ただし、非常食だけに頼ると味や食感にストレスを感じやすいので、レトルト食品・缶詰・乾麺など普段から食べ慣れている日常食品も一緒に備えておくとが安心。これを「ローリングストック」と呼び、食べたら買い足す習慣をつくることでムダなく備蓄が続けられます。
照明・電源
照明と電源は、災害時でも普段に近い生活を保ってくれる心強い味方です。停電は多くの災害で起こりやすく、夜間の安全や情報収集に直結。暗闇になると、転倒やケガのリスクが高まり精神的な不安も強くなります。
LEDランタン

LEDランタンは、火を使わずに明るさが確保できる防災備蓄向けの照明です。自然での使用が目的で作られたアウトドア用なら、省電力で長時間稼働できるものが多く部屋全体を照らすパワーも十分。家族が集まるリビング・トイレ・廊下など、用途を分けて複数用意しておくと安心感が高まります。
モバイルバッテリー

モバイルバッテリーは、停電時でもさまざまなデバイスを使えるようにしてくれる携帯タイプの電源。特にスマホの充電に役立ち、災害時の情報収集や家族との連絡を支えてくれます。
容量に余裕のあるものや複数台同時に充電できるタイプを選ぶと、家族全員で使いやすくなるのも魅力的。アウトドア用なら大容量で耐久性が高く、衝撃や雨にも強いので普段使いしながら災害時にも安心して頼れます。
衛生用品・非常用トイレ
衛生用品は、体調の良し悪しを左右する重要アイテムです。災害時は、水が使えなくなると衛生環境が一気に悪化。体を清潔に保てない状態が続くと、体調を崩しやすくなります。
ボディシート

ボディシートは、お風呂に入れない状況でも体を拭くだけで汗や汚れを落とせる、心身のリフレッシュパートナー。特に、夏場や運動量が増える避難生活では、衛生面だけじゃなく気分を落ち着かせる役割も果たします。肌にやさしいタイプや大判タイプを選ぶと、1枚で全身をしっかり拭けて気分もスッキリ。個包装タイプなら乾燥が防げます。
携帯トイレ

携帯トイレは、排泄物を固めて安全に片付けられる、断水時の頼れる存在です。トイレの水が流せなくなると、悪臭や衛生トラブルが発生し数回の排泄だけで室内環境が一気に悪化。その状態が続くと、生活のリズムが崩れて心身の負担が大きくなります。1人1日あたり5回程度を目安に、数日分を備えておくと安心です。
防寒・防暑対策グッズ
防寒・防暑対策は、在宅避難で体調を守るために欠かせない備えです。季節を選ばず起こるのが災害の怖いところ。停電によって冷暖房が使えなくなると、体温調整が難しくなり体調不良につながります。
寝袋

寝袋は、布団が使えない状況や暖房が止まった環境でも体温を保ちやすい、心強い備えです。アウトドア用なら軽くてあたたかく、収納性や耐久性にも優れているので、災害時にも使いやすいのが魅力。床からの冷えを防ぎ、体力の消耗を抑える助けにもなります。
冷却スプレー

冷却スプレーや冷感グッズは、体を一時的に冷やして熱のこもりを和らげてくれる、暑さしのぎのサポートアイテムです。夏場の在宅避難では、室温の上昇が大きな負担に。特に、高齢者や子どもは熱の影響を受けやすいので、早めに用意しておくと安心です。
備蓄はどれくらい必要?

防災備蓄を考えるときに気になるのが「どれくらい用意すればいいの?」ですよね。水や食料は多すぎると管理が大変。でも、少なすぎると不安が残ります。
では、公的機関の目安を参考に、必要な備蓄量と家庭ごとの調整ポイントを見ていきましょう!具体的な数字を知っておくと、備えやすくなります。
最低3日分できれば1週間分が目安
家庭の防災備蓄は、内閣府や多くの自治体が「最低3日分、できれば1週間分」を目安として示しています。理由は、災害発生直後は救援物資がすぐに届かないケースが多く、物流やインフラの復旧にも時間がかかりやすいため。特に、地震や台風で広い範囲が被災すると、支援が遅れやすく家庭の備えが大きな支えになります。
- 3日分 = 命と体調を守る最低ライン
- 1週間分 = 生活を落ち着かせる余裕
例えば、水なら1人1日約3リットルが目安なので「3日分で9リットル」「1週間分で21リットル」ほど。食料も同様に、1人あたり1日3食として「最低3日分なら9食分」「1週間分なら21食分」が目安です。
正確な量は家族ごとに計算
備蓄をムダにしないためにも、量は「平均的な家庭」じゃなく「自分の家族」を基準に数字を出しましょう。
備蓄の量は、すべての家庭で同じではありません。家族の人数はもちろん、年齢や生活スタイルによってさまざま。大人と子どもでは食べる量や好みが違いますし、高齢者がいる家庭ではやわらかい食品や常備薬への配慮も必要。赤ちゃんにはミルクや離乳食が欠かせません。ペットがいる場合はペット用の水やフードも忘れずに加えます。
大人2人・子ども1人の3人家族で1週間分を備える場合
- 水:1人1日3L × 7日 × 3人=63L(2リットルのペットボトル:約32本)
- 食料:1日3食×7日×3人=63食分(子どもが食べやすい食品を含む)
数字にしてみると、「こんなに必要なの?」とびっくりしますよね。でも、この「多い!」と感じた感覚が防災意識を高めるうえで大切なポイント。実際に7日間を家族だけで乗り切るために必要になる分量で、多くの家庭で備蓄が足りていない理由は、このギャップに気づけていないためでもあります。
※参照元:特集 災害の備え、何をしていますか|内閣府(2025年12月時点)
本当に役立つ備蓄は自分の暮らしに合ったもの

あなたにとって本当に安心できる備蓄をするために、あなたの家庭の「暮らし方」に合わせて内容を調整していきましょう!
公的な備蓄目安(飲料水・食料は最低3日分〜1週間分)はあくまで基本ライン。防災備蓄は「家庭ごとに正解が違う」のが大きな特徴です。
- 女性
- 一人暮らし
- 子育て中の家庭
- ペットがいる家庭
- 特別な配慮が必要な人
それぞれの生活スタイルで考えておきたいポイントをお伝えしますね。
女性
女性の備蓄では「生理用品・冷え対策・栄養バランス」の3つが大切。女性は「体調が崩れやすい要因」を多く抱えているので、安心して在宅避難が続けるために少し余裕のある備蓄をしておきましょう。
- 生理用品(通常より多めに)
- カイロ・保温ブランケット
- 下着や着替えのセット
- 栄養を補いやすい食品(スープ・ゼリーなど)
災害時はストレスや生活リズムの乱れで生理周期がずれやすいので、生理用品は普段より多めに準備。避難生活では冷えが生じやすく体調を崩しやすいため、保温性の高いアウトドアブランケットがあると心強いです。また、女性は貧血や鉄分不足が起こりやすいことから、食べ慣れた栄養価の高いレトルト食品やスープを置いておくと安心です。
一人暮らし
一人暮らしの防災備蓄では「助けがすぐに来ない状況を自力で乗り切る」という意識が大切。みんなで分担できる家庭と違い、1人で家事・体調管理・片付けなどすべてを担うので手間のかからない備蓄をそろえておきましょう。
- 水のいらない非常食
- 調理不要のレトルト食品
- LEDランタン・モバイルバッテリー
- 最低限の衛生用品(ボディシート・携帯トイレ)
水を使わずに食べられる食品・調理不要のレトルト・片付けが簡単な紙皿などは、一人暮らしの生活を支えるアイテムとして相性抜群!停電時は不安が大きくなりやすいので、明るいLEDランタンや大容量モバイルバッテリーがあると心の余裕が生まれます。アウトドア用品を活用すると、コンパクトかつ実用的な備蓄が整えやすくなりますよ。
子育て中の家庭
子育て家庭の備蓄は「安心できる環境づくり」を軸に。普段使い慣れているものがないと不安を感じやすいので、子ども目線で備蓄をそろえましょう。
- ミルク・離乳食・おむつ
- 子どもが食べ慣れた食品
- 防寒具・子ども用の寝袋
- 小型ランタン・お気に入りの玩具
子どもは暑さ・寒さの影響を受けやすく、食べられるものも限られるため、大人と同じ備蓄では足りません。ミルク・離乳食・おむつ・おしりふきは使う量が多いので、普段より余裕をもって準備しておくと安心。また、停電の暗さで怖がらせないために、小さなランタンや安心できるおもちゃを用意してあげると落ち着いて過ごしてくれます。
ペットがいる家庭
ペットもれっきとした「家族」で、日頃と同じケアが必要な存在。災害時はストレスで体調を崩すおそれがあるので、在宅避難を続けるときは、普段と同じように食べられて安心していられる環境をつくってあげましょう。
- ペットフード・飲料水
- ペットシーツ・トイレ用品
- 避難キャリー・簡易ゲージ
- 折りたたみボウル・給水器
まずはフード・水・トイレ用品・避難キャリーを優先的に用意します。フードは急に切り替えるとお腹を壊すかもしれないので、普段と同じものを多めに。ペット用の給水器や折りたたみボウルがあると、停電や断水時でも安心です。避難キャリーは「自分だけの落ち着ける居場所」としても役立つので、普段から慣らしておくと良いですよ。
特別な配慮が必要な人
高齢者・障害のある人・持病のある人・妊娠中の人など、特別な配慮が必要な人の備蓄は、内容をより特化させましょう。特に重要なのは、薬・医療用品・食事形態・移動補助具などその人が日常的に使うものを切らさない仕組み。一般的な備蓄のままだと、いつもと違う環境や食事が身体への負担になりやすく体調を崩すきっかけになります。
- 処方薬・お薬手帳
- 食事形態に合わせた食品
- 医療用品・吸引器・衛生用品
- 移動補助具・体を支える用具
薬は最低1週間分のストックが安心で、医師から処方されているものは「お薬手帳」と一緒に保管。高齢者の場合は咀嚼しやすい食品や、水分を摂りやすいゼリー飲料などを優先すると体調維持につながります。避難時に必要な杖や歩行器はすぐ持ち出せる場所に置き、停電時にも動きやすいよう照明の位置なども工夫してくとGOODです。
ムダなく続ける5つの備蓄術

防災備蓄をそろえたら、いざという時に力を発揮させるために「ちゃんと使える状態」をキープ!せっかく良いものを用意しても、賞味期限や使用期限が切れていたり収納の奥で迷子になっていたらもったいないですよね。
- 分散して収納する
- フェーズフリーで習慣にする
- ローリングストックでまわす
- 見直す日を決めて入れ替える
- 被災者や防災のプロの声に耳を傾ける
備蓄をムダなく続けるために、これらをあなたの暮らしの中に少しずつ取り入れてみてください。
分散して収納する
どこかが使えなくても別の場所から取り出せるように、備蓄は家の中の複数の場所に置きましょう。
備蓄は一か所にまとめすぎると、家のどこかが壊れたり家具が倒れたりしたときに取れなくなるおそれがあります。有効なのが「分散収納」という考え方。例えば、水や食品の一部をキッチンに置き、トイレ用品は洗面所、ライト類は玄関や寝室に置くなど、用途ごとに分けて配置すると日常でも使いやすくなります。
- 使用頻度の高いものは取り出しやすい位置へ
- 家の2〜4か所に分ける
- 衛生用品と電源系統は避難動線に配置
- マンションの場合は玄関付近にも置く
分散収納は、在宅避難のときに動線をつくりやすく必要なものを素早く手に取れるのが大きなメリット。家のあちこちを「小さな備蓄スポット」にしておくと、災害時の負担が軽くなり落ち着いて行動しやすくなります。
フェーズフリーで習慣にする
災害時に初めて操作して戸惑わないように、備蓄は日常で使いながら「慣れた状態」を保ちましょう。
「フェーズフリー」とは、日常(平時)と災害時(非常時)の両方で使えるアイテムを選び、特別な準備をしなくても自然と備えが整うという考え方。特に、アウトドア用品はフェーズフリーと相性が良く、普段の生活でも使えるうえ、停電や断水のシーンにも強い魅力があります。
- LEDランタン → 停電時の照明+日常のサブ照明
- アウトドア用鍋 → 災害時の調理+普段の料理に
- 大容量バッテリー → 災害時の電源+キャンプや旅行で
日常で使いながら備えになるのでムダがなく、いざという時にはしっかりと力を発揮してくれます。
ローリングストックでまわす
在宅避難に必要なものを常に「使える状態」でそろえておくため、食品や日用品はローリングストックを実践しましょう。
ローリングストックとは、備蓄した食品や日用品を「使う→買い足す」を繰り返すことで、常に新しい状態をキープする方法。非常用としてまとめて置くだけだと期限切れや劣化に気づきにくいですが、普段から使うものを備蓄に組み込むと、自然と入れ替わりムダが出にくくなります。
- 食品:レトルト食品・乾麺・缶詰・スープ類など
- 日用品:トイレットペーパー・ティッシュ・ウェットシート・乾電池など
どちらも災害時に必要になりやすいため、ふだんの生活に取り入れておくと安心です。
- ふだん使うものを少し多めに買っておく
- 賞味期限・使用期限の古いものから順に使う
- 使った分だけ必ず買い足す
- ジャンルごとに収納を分けておき、残量が一目でわかる状態にしておく
この方法なら、特別な管理をしなくても備蓄が自動的に更新!料理が苦手な人や忙しい家庭でも、備蓄を続けやすい仕組みが整います。
見直す日を決めて入れ替える
備蓄が「気づいていたら古くなっていた」というトラブルを防ぐために、定期的に内容をチェックする習慣をつけましょう。
備蓄は「期限を決めて見直す」だけで、品質を保ちながら長く続けられます。おすすめは、半年に1回または年1回の「点検日」を作ること。防災の日(9月1日)や年度の切り替わり、家族の誕生日など、覚えやすい日に設定すると忘れにくいです。
- バッテリーの充電状態
- トイレ用品・衛生用品の残量
- 食料・水・電池・ガス缶の期限
- 季節の変化に応じた防寒・防暑用品
- 家族構成・年齢・健康状態の変化に合わせた備蓄内容の調整
点検では、これらをまとめてチェック。また、家族の状況が変わっていないかを見直すのも大切です。成長に応じて子どものサイズが変わったり、家族が増えたり、持病や服薬状況が変わったり。備蓄もその都度アップデートし、災害時に安心して使える環境をキープしてください。
被災者や防災のプロの声に耳を傾ける
備蓄の質をもっと良くするために「経験者や専門家の声」を取り入れましょう。
実際に災害を経験した人は、何が足りなかったか、何が助かったかを具体的に語っています。例えば「ライトは2つ必要だった」「携帯トイレの数が足りなかった」「食べ慣れていない非常食はストレスになった」など。リアルな気づきが多いので、備蓄を考えるときの参考になります。
また、自治体や防災の専門家が出している情報には、災害ごとの特徴や大事なポイントが分かりやすくまとまっています。
- 自治体の防災ガイド
- 防災士・アウトドア専門家のアドバイス
- 被災体験談(自治体・公共団体の掲載ページ)
- SNSで共有される災害時の実体験
こうした情報も備蓄に取り入れると、自分では気づきにくい抜けがより防ぎやすくなります。
最低限ではないけどあると助かる防災グッズ
最低限の備蓄(水・食料・照明・衛生用品)がそろっていれば、生活の土台は完成します。でも、在宅避難のつらさは想像以上!そこで活躍するのが「少しの快適さ」が得られる防災グッズ。災害時のストレスや疲れを和らげ、日常の「当たり前」を少しだけ残してくれるアイテムがあるだけで、心にぐっと余裕が生まれます。
ここでは、そんな「あると助かる防災グッズ」を3つのテーマに分けて紹介しますね。
水の確保に役立つもの
断水が長引くと、飲料水だけでなく生活用水も深刻な課題になります。そこで便利なのが「水の確保を助ける」グッズ。水は「足りない」と一気に生活が不便になるので、最低限の備蓄に+αで確保できる道具を用意しておくと安心感がぐっと高まります。

- 携帯浄水器
- 折りたたみ式ウォータータンク
- 水汲みバッグ
- ペット用の携帯給水器
携帯浄水器はアウトドアでも使われる実用的な道具で、川や雨水などを飲めるレベルまでろ過できるものもあります。水の供給が不安定な地域や、マンションの高層階に住んでいる人にとっては「心の保険」になる存在です。
折りたたみ式のウォータータンクは軽量で持ち運びやすく、給水車が来たときに効率よく水を運べます。浴槽の水をためて生活用水として活用する人も多いので、防水性のある水汲みバッグを備えておくとさらに便利です。
暑さや寒さからもっと体を守るもの
停電によって冷暖房が使えなくなると、季節によっては体調を崩す大きな原因になります。そこで役立つのが「体温調整を補助する」グッズ。体温を守ることは生活の質だけじゃなく、命にも関わる重要な備えになります。

- 冷感タオル・携帯ファン
- 再利用できる保冷剤
- 保温ブランケット・湯たんぽ
- 断熱マット・アウトドア用シート
夏場は熱中症の危険が高まるので、冷感タオル・ハンディファン・保冷剤を繰り返し使える保冷バッグなどがあると安心。特に、高齢者や子どもは暑さに弱いので早めの準備が必要です。
冬場は寒さで体力を消耗しやすく、停電が続くと冷えが思っている以上のストレスに。保温ブランケット・湯たんぽ・断熱マットなどのアウトドア用品は、寒さ対策としての機能に優れているので在宅避難でも重宝します。
最低限「寝袋」だけでも良いですが、床の冷気は防ぎきれないかもしれません。断熱シートを組み合わせるとより快適に過ごせます。
暮らしのストレスをもっと減らすもの
災害時は「生活の不便さ」よりも「心のストレス」が負担になりやすいと言われています。そこで効果的なのが「気持ちを落ち着かせる」「家の中を整える」グッズ。ストレスを少しでも軽減すると、在宅避難の時間がぐっと過ごしやすくなります。

- 携帯ラジオ(手回し・ソーラータイプ)
- アウトドアチェア・小型テーブル
- 仕分けボックス・ライト付き時計
- 香りつきハンドクリーム・ウェットティッシュ
例えば、携帯ラジオは正確な情報を得られるだけじゃなく、音声があることで孤独感を和らげる効果も。ポータブルテーブルやアウトドアチェアは、食事や作業をしやすくし在宅避難でも生活のリズムを保つ助けになります。
ライト付きの置き時計や小さな仕切りボックスなども、暗い場所での整理整頓に大活躍。さらに、いつもと似た香りのハンドクリームやウェットティッシュを常備すると、緊張が続く中でもホッとできる瞬間がつくれます。
暮らしを守り続ける「日常備蓄」はサンデーマウンテンで
防災備蓄の本質は、特別な準備ではなく「自分の暮らしに合った形で整える」こと。最低限の備え・必要な量・家族それぞれに合わせた準備・続けやすい仕組みづくり。どれも今日から少しずつ始められます。
災害は予測できなくても、備蓄は予測して準備できます。完璧を目指す必要はありません。できることを少しずつ積み重ねて、あなたの暮らしを災害から確実に強くしていきましょう!
在宅避難で本当に頼りになるのは、普段から使い慣れている道具です。そのうち、アウトドア用品は停電・断水・寒暖差に強く、日常でも使える「フェーズフリー」なアイテムが豊富。LEDランタン、大容量バッテリー、浄水器、保温ブランケット、アウトドア調理器具など、毎日の生活にもなじみつつ災害時には力を発揮します。
国内最大規模のアウトドアショップ「サンデーマウンテン」では、日常と防災をつなぐアウトドア防災グッズをとりそろえています。暮らしの延長で備えながら、無理なく「日常備蓄」を続けてくださいね。

























コメント