「これなら私にもできそう」と思えるような、無理なく・ムダなく・安心できるローリングストック生活を始めてみませんか?
いざというときのために備えた「非常食」や「防災グッズ」は、日常では出番が少なく存在すら忘れてしまいがち。結局使わずに捨ててしまったり、災害のときに安全面から使えなかったりするケースが見られます。
そこで、災害大国である日本から生まれたのが「ローリングストック」という備蓄スタイル!災害時に役立つものたちを「日常で回しながら備える」ことで、自然な防災対策につながります。
ここでは、
「ローリングストックって?」
と気になるあなたへ、ローリングストックに向いているもの・不向きなものを「食品」「日用品」に分けてわかりやすくご紹介。国内最大規模のアウトドアショップ「サンデーマウンテン」が、さらに賢く役立てられるアウトドア用品の活用法もお届けします。
いつ起きるか分からない災害に備えて、今から無理なく続けていける備蓄方法を知っていきましょう!
ローリングストックとは日常で使って備える考え方のこと

ローリングストックとは、普段の生活の中で使う食品や日用品を「使ったら補充する」で繰り返して備蓄する方法のこと。特別な非常食や防災グッズを別に保管するのではなく、日常生活で使っているものをそのまま防災用に活用するのが特徴です。
食べ慣れているレトルトご飯や缶詰、いつも身近で使っているティッシュやウェットシート。これらを少し多めに買っておき、古いものから順に使いながら新しいものを買い足すことで、いつでも一定量のストックが家にある状態を保つのが目的です。
昔ながらの「非常食を別で用意する方法」と、ローリングストックの違いを見てみましょう。
| 従来の備蓄 | ローリングストック |
|---|---|
| 特別な非常食や用品を別で保管 | 普段の買い物のついでに備えられる |
| 賞味期限の管理が難しい | 日常的に使うから、賞味期限切れや使い忘れが防げる |
| 開封方法や味に不安がある | 食べ慣れたもの・使い慣れたものだから安心 |
| 収納場所が限られる | 日用品として保管するから、収納スペースのムダが減る |
ローリングストックは、災害時だけじゃなく日常生活の中でも役立つ仕組み。備えるための意識や努力を特別なことにしなくても、普段の暮らしの延長で自然とストックでき、誰でも無理なく続けられるのが最大の強みといえます。
※参照元:簡単!ローリングストック|農林水産省(2025年9月時点)
ローリングストックで日常も災害時も負担が減らせる

日常の買い物や消費の中で自然と備える「ローリングストック」は、日々の生活に無理なく取り入れられる方法です。日常生活と災害時のどちらにも役立つ理由やメリット・デメリットを知って、あなたにとって本当に必要かどうかを考えてみましょう!
食品も日用品も暮らしに欠かせない必需品
ご飯を食べる、トイレに行く、顔を洗う、手を拭く。そんなふうに、私たちは毎日いろんなものを自然と使いながら暮らしています。その中にあるのが、食品や日用品。なくなったらちょっと困る、だけどあると気づかないくらい「当たり前」な存在です。
例えば、朝起きていつものパンがなかったら?ティッシュやトイレットペーパーが切れていたら?そんなときにちょっとしたストレスを感じるはず。どれも快適に過ごすためには欠かせないものなんです。
実はこうした食品や日用品こそ、災害時に無いといちばん困るもの。いつもの暮らしの中でストックしておくだけで、もしもの時も落ち着いて対応できる心強さがあります。
日常で備えるメリット・デメリット
ローリングストックは防災のハードルをぐっと下げてくれる方法ですが、その分、意識しておきたいポイントもあります。メリットとデメリットを両面から見ていきましょう。
- 常に最新の状態で備えられるので、賞味期限切れや劣化リスクが少ない
- 買い物のついでに補充できるため、費用や手間が分散できる
- 「備え=特別なこと」という心理的ハードルが下がる
- 定期的に在庫を確認しないと、必要数が足りなくなる恐れがある
- 家族構成やライフスタイルの変化に応じて見直しが必要
- 賞味期限や使用期限の管理に手間がかかる
ローリングストックは「簡単にできそう」と思える反面、続けるにはちょっとした工夫も必要。日常と災害時をつなぐ暮らしの備えとして、上手に付き合っていくことが大切です。
災害時に役立つ理由と注意点
災害時にはライフラインの停止や物流の混乱で、買い物ができなくなることもあります。そんな時でも、ローリングストックをしていれば、日頃から回転させている備蓄があるので安心です。
- 普段から使い慣れているものなので、災害時でも使い方に迷わない
- 賞味期限内のものを常備しているので、劣化や廃棄の心配が少ない
- 食べ慣れている食品が摂れるので、ストレスが軽減される
ただし、停電や断水を想定して「電気や水がなくても使えるもの」を選ぶことが大切。例えば、電子レンジ必須の冷凍食品や調理器具が必要な食材は、ローリングストックに向いていません。また、すぐに取り出せる場所に保管することもポイント。いざという時に奥から探さないと出てこないようでは、せっかくの備えがムダになります。
【食品編】ローリングストックに向いているもの・不向きなもの
ローリングストックをする食品選びは「常温で保存できるか」「すぐに食べられるか」「長持ちするか」を重視!向いているもの・不向きなものを具体的に知って、あなたにぴったりなものを見つけてみましょう。
常温保存できるものがベスト

ローリングストックに向いている食品の第一条件は、常温で保存できること。電気や冷蔵庫が使えないシーンでは、冷蔵や冷凍が必要な食品を口にするのは不安が残りますよね。
そこで、注目したいのが「長期保存ができて、しかもふだんからよく使っている」以下のような食品です。
| カテゴリ | 食品例 |
|---|---|
| 主食 | パックごはん、乾麺(うどん・そば・パスタ)、クラッカーなど |
| 主菜 | ツナ缶、サバ缶、レトルトカレー、煮物のパウチ |
| 副菜 | 野菜の缶詰、インスタントみそ汁、フリーズドライ野菜 |
| 嗜好品 | チョコレート、飴、栄養バー、ナッツなど |
| 飲料 | ペットボトル水、野菜ジュース、スポーツドリンク |
これらは、常温で半年〜1年程度保存できるものが多く、賞味期限が切れる前に食べて補充するという流れがつくりやすいもの。特に、レトルト食品や缶詰は温めなくても食べられるものが多いので、ガスや電気が止まっても安心です。
最近は、栄養バランスが取れた「災害対応レトルト」や、温めなくてもおいしい非常食も増加中!選択肢が広がっており、実際に食べ慣れていて扱いやすいものがそろえられるようになりました。
腐敗しやすい、調理しにくいものはNG

一方で、ローリングストックにあまり向いていない食品があります。見た目は便利そうでも、災害時のことを想像すると「ちょっと不安かも」と不安になることも。特に注意したいのは、以下のような調理に手間がかかるものや保存が難しいものです。
| 不向きな食品の例 | 理由 |
|---|---|
| 冷蔵・冷凍が必要なもの | 停電時に保存できなくなる/腐りやすい |
| 要加熱が必須の食品 | カセットコンロや燃料がないと食べられない |
| 大容量・一気に使い切るもの | 一度開けると傷みやすく、残った分がムダになる |
| 下ごしらえが必要な乾物類 | 水や火を多く使う調理が必要で、災害時には不向き |
| 賞味期限が極端に短いもの | ストックの管理が大変で、使いきれない |
例えば、冷凍うどんや冷蔵タイプのスープは、普段の生活では便利ですが災害時には電気が止まり保存できません。また、乾燥パスタやカップ麺も、湯を沸かせない環境では使えないのであくまで「状況次第で使える補助的な食品」として考えるのがおすすめです。
大切なのは「普段は便利でも、災害時には使いにくい」食品を見極めておくこと。逆に、「そのままでも食べられる」食品を意識して多めに備えておくと、いざという時に気持ちの余裕が生まれます。食べることは、栄養補給だけでなく心の安心にもつながるので、「好きな味」「食べ慣れたもの」を中心に選ぶのもおすすめです。
【日用品編】ローリングストックに向いているもの・不向きなもの
ローリングストックをする日用品選びは「なくなるとすぐに困るもの」「よく使うもの」を重視!食品同様、向いているもの・不向きなものを具体的に知って、あなたにぴったりなものを見つけてみましょう。
すぐに役立つものがベスト

災害時は「すぐ使える」かどうかが何より重要。電気や水道が止まった状況でも使える日用品を意識して選びましょう。
| アイテム例 | 理由 |
|---|---|
| 速乾性タオル | 濡れてもすぐ乾き、繰り返し使える、衛生的 |
| トイレットペーパー | 使い切るまでに時間がかかるが、必ず使う定番備蓄品 |
| ティッシュペーパー | 毎日使うため回転しやすく、保管しやすい |
| ウェットティッシュ | 水が使えないときに重宝、アルコール入りならより安心 |
| 乾電池(単3・単4) | ランタン・ラジオ・おもちゃに、常備しておきたい |
| 生理用品 | 毎月使うものは多めにストックしておくと安心 |
| マスク | 花粉・風邪・ほこり対策にも活躍、すっぴん隠しにも |
これらは、日常生活で自然に消費できるうえ、災害時には代用しにくいので備えておく価値があります。中でも、保存期間が長く場所をとらないものを選ぶと管理がラクに。普段から「今ある在庫を使いながら、使った分だけ補充する」という習慣をつけておくと、いざという時にも慌てずに済みます。
よく使う、劣化しやすいものはNG

一方で、ローリングストックに向いていそうでも、実は備蓄に不向きな日用品があります。特に「すぐ劣化するもの」や「日常での消費頻度が少ないもの」はムダになりやすく、防災グッズとしての役割がうまく果たせません。
| アイテム例 | 理由 |
|---|---|
| 乾電池・電池類 | 他で使って残量ゼロ、液漏れのリスクも |
| カセットボンベ | 劣化やサビに気づきにくい |
| 大容量の水タンク(未開封) | 使い方がわからない、劣化も |
| 未開封のアウトドア用品 | 災害時に使い方が分からない |
これらは、「自宅に置いておきやすい」と思われがちですが、消耗のスピードが速かったり、普段使わないことで劣化に気づけなかったり。防災目的で備える日用品は「備蓄用」と「普段使い用」を分けて考えると、ムダを防ぎ安心につながります。
家族構成に応じて備蓄量をシミュレーションしてみよう

ローリングストックをする量は、家族の人数や年齢の構成によって大きく変わります。一人暮らしと4人家族では必要量は当然違いますし、小さな子どもや高齢者がいる家庭では、体調や衛生面への配慮も必要!
ここでは、一般的な家庭をモデルに、食品・水・日用品の目安量を具体的にシミュレーションしていきます。あなたの家族構成に置き換えながらチェックしてみてくださいね。
食品と水の目安
食料と飲料水は、命を守るうえで最も優先すべき備蓄アイテム。内閣府の防災担当によると、災害時はライフラインの復旧に時間がかかるおそれがあるため「最低3日分、できれば7日分」の備蓄が推奨されています。
- 主食(ごはんやパンなど)…2〜3食分
- おかず(缶詰、レトルト、フリーズドライなど)…3品程度
- おやつや甘いもの…気分転換用に少しあると便利
- 飲料水…3L(調理・歯磨きなどを含む)
例えば、4人家族で3日分備蓄する場合、最低でも以下の量が必要です。
| アイテム | 目安(1日分/1人) | 合計(3日分/4人分) |
|---|---|---|
| 食品 | 3食(主食+副食) | 主食36食+副食36食以上 |
| 飲料水 | 3L | 36L(2Lペットボトル×18本分) |
赤ちゃんがいる家庭は、粉ミルク・離乳食・乳児用の飲料も必ず含めてください。また、高齢者の場合は咀嚼しやすい食品や持病対応の制限食の備蓄も重要です。
※参照元:できることから始めよう!防災対策 第3回‐内閣府防災情報のページ|内閣府(2025年9月時点)
日用品の目安
災害時に衛生を保ち、快適に過ごすための日用品。こちらも、家族人数や生活スタイルに応じて調整が必要です。
- トイレットペーパー…5〜7回分(ロール数で換算すると1人あたり3日で約1ロール)
- ウェットティッシュ・除菌シート…10〜15枚
- ティッシュペーパー…1箱を家族で3〜4日
- 使い捨てカイロ・簡易トイレ…必要に応じて
- 生理用品…1人1日5枚程度(必要な方のみ)
- マスク…1人1日1〜2枚
例えば、大人2人+子ども2人の家庭で、3日分を想定すると…
| アイテム | 目安 | 合計(3日分) |
|---|---|---|
| トイレットペーパー | 1ロール/人/3日 | 4ロール |
| ティッシュ | 1箱/3〜4日 | 1〜2箱 |
| ウェットティッシュ | 10枚×4人×3日 | 120枚 |
| 生理用品 | 5枚×1人×3日 | 15枚 |
| マスク | 1.5枚×4人×3日 | 約18枚 |
日用品は「なんとかなる」と後回しにされがちですが、不足するとストレスや体調悪化につながることも。特に、停電や断水が続いたときは、清潔を保つための備えが大きな安心につながります。
※参照元:災害時に備えた食品のストックガイド|農林水産省(2025年9月時点)
ローリングストックの管理収納を成功させるコツ

ローリングストックは使いながら備える仕組みなので、収納場所の工夫やルールづくりがとても重要!いざという時にきちんと役立てられるように「どこに何があるかわからない」「気づいたら賞味期限切れ」「使ったあと補充し忘れた」を防ぎましょう。
あなたの暮らしにフィットし、ラクに続けられる「ローリングストック収納術」をお伝えしますね。
家族で共有できる備蓄コーナーづくり
家族みんなが使えて、中身も把握しやすい備蓄コーナーを作りましょう。災害時に使いたい食品や日用品を自分だけが分かっている場所に収納してしまうと、いざという時に家族が対応できません。
- 一箇所にまとめる:食品・日用品などカテゴリごとに棚や引き出しを分ける
- 見える収納にする:中身がひと目でわかる透明ボックスやラベリングを活用
- 動線に合わせた配置:キッチン・洗面所など、使う場所の近くに置く
家族が何気なくストックを使ったときに「どれを補充するべきか」が分かるように、ラベルや一覧表なども活用すると便利。子どもでも手に届く高さや、必要な物がすぐに取り出せる順番も意識してみてください。
使ったらすぐ補充できるルール化
ローリングストックをうまく回すために「使ったら買う」を我が家のルールとして決めておきましょう。曖昧な運用は、ストックが足りなくなったり余計に買いすぎたりする原因です。
- 使った数をメモするホワイトボードを設置
- スマホのリマインダーや共有メモアプリを活用
- 家族で「ストックが残り1個になったら報告」ルールを設定
このような工夫があれば、「気づいたらゼロ」という失敗が防げます。買い足すタイミングを「月初の買い物の日」「ネット注文の日」などに決めておくと、管理がもっとラクになりますよ。
期限チェックの見える化
管理が続けられるように、期限をひと目でチェックできる状態にしましょう。ローリングストックは、期限切れの防止が最大のポイント。食品も日用品も、使わずに放置するとムダになってしまいます。
- 購入日や賞味期限を書いたラベルを貼る
- 3か月ごとに見直す日をカレンダーに登録
- ボックスごとに「次に使う順番」を手前→奥で並べる
特に、賞味期限の印字が小さかったり製造年月日が並べて記載されていたりする食品は、パッと見ただけでは期限が分かりにくく小さなストレスに。ラベル・シール・日付を書けるマスキングテープを活用するだけで、管理の精度が上がります。
ローリングストックが続かない原因は?

最初は「これならできそう!」と思って始めたローリングストックも、気づけば続かなくなってしまうかもしれません。でも、その原因は「やる気」や「防災意識不足」じゃありません。実際に挫折してしまったケースと原因を詳しく見て、ラクに続けるためのコツを押さえておきましょう!
よくある悩み
「どうしても長続きしない…」という人の多くは、以下のような悩みを抱えています。
- 管理が面倒で時間がかかる
→ 忙しいと後回しにしてしまう - 期限をチェックし忘れる
→ 気づいたら賞味期限切れで捨てることに - 補充のタイミングが曖昧
→ 使いきってしまっても買い足さず、そのままに - ストックの場所がわかりづらい
→ どこに何をしまったか忘れてしまい、結局使わない - ストックが日常生活に活かされていない
→ わざわざ防災用として分けてしまい、使う習慣が身につかない
特に「災害用=別に保管するもの」と考えてしまうと、日常生活から切り離されてしまい、使い忘れや補充が後回しになりがち。買い足しのルールがはっきり決まっていなかったり、家族内で話し合えていなかったりするのも、ストックがうまく回らない原因のひとつです。
続けるコツ
無理なくローリングストックを続けるために「管理しやすく・気づきやすく・すぐに補える」工夫をしましょう!複雑にしすぎず、日常の中に自然と組み込ませるのが長続きコツです。
- 買い物リストに「ストック確認欄」を入れる
- 先入れ先出しを守りやすい備蓄コーナーを作る
- 定期的な「ストック見直し日」をカレンダーに登録する
- 「あと1個で補充」のマグネット・メモ・アプリを使う
- 見える収納とラベリングで誰でもわかる管理体制を整える
例えば、スマホのToDoアプリやカレンダーリマインダーに「今月の備蓄チェック」と登録しておくだけでも、習慣化がラクに。収納棚に「使う順番」「補充サイン」「期限ラベル」があると、買い足しを意識しやすくなります。
実際に使って「食べておいしかった」「買ってよかった」「便利だった」という体験は、ストックを無理なく続けるための大切なモチベーションに。好みに合う非常食を探したり、日用品の買い足しルーティンにプチごほうびを入れたりすると、続けやすくなるかもしれません。
ローリングストックを始める5ステップ

ローリングストックは、日常生活の中で備蓄を自然に循環させていく方法。とはいえ、「何から始めればいいの?」と迷っている方も多いはず。スムーズに取り組めるように、5つのステップに分けて少しずつ進めていきましょう!
- 家にある食品と日用品を全部出す
- 家族構成と人数で必要量を確認する
- 不足分をリスト化して買い足す
- 収納ルールを決めて整える
- 月1チェックで回し続ける
最初だけちょっと頑張れば、あとは日常生活の延長で続けられます!
家にある食品と日用品を全部出す
まずは、家の中にある食品や日用品を「見える状態にする」から始めましょう。冷蔵庫・棚・押し入れ・バッグの中などに分散してしまっている備蓄を一箇所に集めてみてください。
- 賞味期限/使用期限が切れていないか
- 似たようなものばかり買っていないか
- ストックの量がかたよっていないか
- 実際に日常で使っているか
「まだあると思ってたのに無かった」という状態は、ローリングストックでは致命的。まずは今あるものをすべて出して、使えるもの・使わないものに分けて整理を。買い足す前に今の在庫を正しく知って、ムダなものを増やさないことが大切です。
家族構成と人数で必要量を確認する
備蓄の目安は「大人1人あたり3日分」と言われますが、これはあくまで最小限。小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、体調を崩しやすかったり食べられるもの・使えるものが限られていたりします。必要なものに個人差が出やすいので、急なトラブルにも対応できるよう日頃から多めにストックしておくと安心です。
例えば、以下のような計算をしてみましょう。
| 家族構成 | 3日分の目安(水) | 3日分の目安(食料) |
|---|---|---|
| 大人1人 | 9L(1日3L×3) | 9食(1日3食×3) |
| 幼児1人 | 6L | 6食 |
| 高齢者1人 | 6〜9L | 消化に優しい内容で調整 |
トイレットペーパー・生理用品・おむつなどの日用品も「1週間家から出られない状況」を見込んで計算しておくと安心。あまりキッチリ数字にこだわらず「ちょっと余裕があるかも?」と思えるくらいがベストです。
不足分をリスト化して買い足す
今ある在庫と必要量を把握したら、不足しているものをピックアップしてメモしましょう。ここでは「すぐ使うもの」と「非常時に必要なもの」の両方をバランスよく取り入れるのがポイントです。
- 飲料水、スポーツドリンク
- 缶詰(ツナ、豆、果物など)
- レトルト食品(カレー、パスタソース)
- 常温保存できる主食(パックご飯、乾麺)
- 日用品(ウェットティッシュ、乾電池、ラップなど)
買い物のときは「非常食だから」と特別なものを選ばず、日頃からよく食べている・使っているものを中心に。ローリングストックとして、自然に循環しやすくなります。
収納ルールを決めて整える
災害時に役立てたい食品や日用品がそろったら、備蓄をうまく回していくために「使いやすく見やすい収納ルール」を決めましょう。ごちゃごちゃしていると、何が足りないのか・使っていいのかがわからなくなってしまいます。これでは、せっかくの備えがムダになってしまいそうですよね。
- 使用頻度が高いもの→手前、低いもの→奥
- 賞味期限の早いもの→手前、遅いもの→奥
- 透明ケースやラベルで中身が一目でわかるようにする
- ジャンル別にケースで分けて管理(食品/飲料/衛生用品など)
理想は、家族みんなが在庫状況と収納場所を把握できる状態。リビングや玄関クローゼットなど、共有しやすい収納スペースにまとめておくと、全員が「これ、あと1個だよ!」と自然に気づける環境が整います。
月1チェックで回し続ける
どんなにうまく始めても、見直しに手を抜くと意味がありません。「月に1回チェックする」というルールを決めて、ローリングストックを習慣化しましょう。
- 賞味期限・使用期限の確認
- 新しく加えたいストックの見直し
- 減った分の補充(メモ or スマホで記録)
- 季節による必要品の調整(夏場の熱中症対策品など)
チェックするタイミングは、例えば「月末の土曜日」「給料日後の週末」「ゴミ出しの日」など、普段の暮らしの中で意識しやすい日がおすすめ。スマホのリマインダーや冷蔵庫のドアに貼るメモなど、目に入りやすい機能・場所を活用すると忘れにくいです。
【活用術】アウトドア用品を使ってかしこく防災備蓄

防災グッズって、買っても使わないまま眠っちゃいそう
そんな方にこそおすすめしたいのが、アウトドア用品の活用!キャンプやレジャーで楽しみながら使って管理できるので、ローリングストックとも相性抜群!災害のときに「知らないうちに劣化していた」「バッテリーが切れていた」という失敗が防げます。
キャンプやレジャーで試して→慣れて→備えられる
アウトドア用品の最大の魅力は、「非日常の中で日常生活をどう過ごすか」に特化していること。ライフラインが止まった災害時と重なる状況で、日常の中で自然と使い方を覚えられるので、非常時にもスムーズに対応できます。
- ガスや電気が使えない → アウトドアバーナーやランタンが活躍
- トイレや水道が使えない → ポータブルトイレや浄水器で対応
- 食事や衛生が心配 → キャンプ用食器やシートでカバー
普段から「使ってみる→慣れる→補充する」というサイクルを回しておけば、いざというときにも焦らずに使えるうえ、自然とローリングストックが実践できている状態に。無理なく・ムダなく・ムラなく続けられる、スマートな防災習慣が身に付きます。
おすすめアウトドア用品

防災の視点でアウトドア用品を選んでおけば、レジャーでも使えて防災にも役立つという一石二鳥の備え方に!国内最大規模のアウトドアショップ「サンデーマウンテン」でも、ローリングストックに向いている日用品(アウトドア用品)を種類豊富にご用意しています。
信頼できるアウトドアブランドの正規品から厳選してご紹介するので、気になるものがあればぜひチェックしてみてくださいね。
排泄

トイレ問題は、避難生活でストレスが大きいものの1つ。排泄を我慢することで体調を崩したり、衛生状態が悪化して感染症のリスクが高まったりなど、心身の健康に深刻な影響が出るおそれがあります。
- ポータブルトイレ(折りたたみタイプ/簡易便座)
→省スペースで収納でき、災害時もすぐ使える - 凝固剤タイプの非常用トイレセット
→水不要、排泄物の処理が衛生的にできる - トイレ用テントや目隠しポンチョ
→屋外でもプライバシーを確保、防災×キャンプで定番化
特に、女性・高齢者・小さな子どもがいる家庭では安心して排泄できる空間の確保が欠かせません。プライバシーが守られない環境では「見られたらどうしよう」という不安から強いストレスを感じやすく、特に女性や子どもにとっては心理的な負担が大きくなります。
トイレ環境さえ整っていれば「避難所に行かなくて済む」という選択肢が生まれます。アウトドア用品で、“自宅避難”を快適に整える第一歩になります。
衛生・清潔

避難生活や断水などで水が満足に使えない状況は、身体の清潔を保つのがとても大変。アウトドアシーンで活躍するアイテムなら、そんな「水なし生活」を支える強い味方になってくれます。
- ボディ用ウェットシート(大判/厚手タイプ)
→お風呂代わりに全身拭けてスッキリ - 携帯歯磨きセット(水なしタイプやシート型)
→歯磨きができると、気分も前向きに - 速乾タオルやマイクロファイバークロス
→濡らさず使えて、すぐ乾くのが便利 - 携帯ウォッシュバッグ(折りたたみ式)
→下着や衣類の手洗いも可能
「気持ち悪さ」を感じたまま過ごすのは、メンタル面にも悪影響。アウトドア用品で、災害時でも清潔がキープできる環境を整えておきましょう。普段のキャンプやレジャーで実際に使っておけば「どうやって使うの?」という不安も解消されます。使い慣れておくことが、いざというときに心強い備えになりますよ。
調理・食事

火も水も使えない状況では、温かいご飯が食べられるだけで心が安らぎ前向きな気持ちになれます。アウトドア用品は、限られた環境でもできるだけ快適に過ごすことを想定して作られたものばかり。特に、食に関する道具は少ない燃料・シンプルな工程で調理できるという特徴があり、災害のときにとても便利です。
- 断熱マグや保温ボトル
→温かさをキープしてくれるのは大きな安心 - メスティン(飯ごう)やクッカーセット
→軽量で多用途。炊飯、煮る、焼くが1つで完結 - シングルバーナー&カセットガス/固形燃料
→お湯を沸かす、温める、調理も可能 - アウトドアカトラリー(スプーン・フォーク一体型)
→衛生的に持ち運び、食べやすさ◎
災害時に配られる非常食は、常温のまま食べることも多く、気持ちが滅入りがち。でも、「温めて食べる」「湯気のあるごはんを口にする」という行為には、体だけじゃなく心のストレスを和らげてくれる力があります。
非常食や保存食を備える際には、温かくして食べられる環境づくりもセットで考えるのがおすすめ!アウトドア用品を活用すると、防災と日常の距離がグッと近づきローリングストックの実践にもつながります。
明かり・情報

夜間の不安や暗闇での事故を防ぐために、まず必要なのは明かり。さらに、スマホを通じて得られる災害情報や連絡手段は、命を守る行動につながるライフラインとも言えます。
停電時にこの2つ(明かりとスマホ)が同時に使えなくなると、「何が起きているのか分からない」「どこに連絡すればいいかも判断できない」など、不安と孤立感が一気に押し寄せます。
- ヘッドライトや首掛けライト
→両手が空くことで、作業や移動が安全に - LEDランタン(乾電池/USB充電/ソーラー)
→テント内・自宅避難でも使いやすい光量 - 多機能ラジオ(手回し/ソーラー/ライト付き)
→災害時の情報収集に加え、スマホ充電も可能なモデルもあり
アウトドア用品は、「電源がない」「明かりがない」環境での使用を前提に作られているので災害時にもとても頼れる存在!日常使いと併用できるアイテムなら、しまいっぱなしにならずローリングストックの考え方とも相性抜群です。
電源(バッテリー)

停電中、スマホ・ライト・扇風機・調理器具などは「電源」がなければただの置物に。そんなとき、頼りになるのがアウトドアで使われるポータブル電源や充電機器たちです。電源がない環境でも快適に過ごせるよう設計されているので、防災との相性抜群!軽量・コンパクトで家庭でも扱いやすく、非常時の“電力確保”という大きな課題を解決してくれます。
- ポータブル電源(バッテリー容量100〜500Wh)
→スマホ充電・ミニ家電もOK - モバイルバッテリー(防水・防塵・ライト付き)
→アウトドア仕様のタフタイプを選ぶと長持ち - ソーラーパネル充電器
→電気がない中でも再充電できるのが最大の魅力 - 充電式の扇風機や加湿器
→夏・冬の体調管理にも有効
普段から「アウトドアやベランダ時間に使う」などの習慣があれば、いざという時にも迷わず使えるのでローリングストックにもなるのが特徴。バッテリー切れや故障をいち早く発見でき、常に「いつでも充電できる」という安心が得られます。
今すぐできるローリングストックアクション
ローリングストックは、日常生活の中でできる身近な備えのひとつ!難しいことは考えず、とりあえず少しずつやってみませんか?今の生活に負担なく、家族みんなで今日からできることをご紹介しますね。
今日からできること
ローリングストックは特別な準備はしなくてもOK。大切なのは、日常の中にちょっと意識をプラスすること。災害時を意識しながら普段の買い物や行動を少し変えるだけで、立派な備えになります。
- 冷蔵庫やストック棚の賞味期限をざっくりチェックしてみる
- トイレットペーパー、ティッシュ、飲料水などの残量を確認する
- 買い物のときに「災害のときも使えるかな?」と考えて1〜2品選んでみる
- 通勤バッグやリュックに入っているモバイルバッテリー・除菌シートなどを確認してみる
たったこれだけでも「ちゃんと備えてる」という安心感が生まれます。毎日の暮らしの延長線上で、防災を習慣化していきましょう!
家族と話してみよう
ローリングストックは一人で完結する備えじゃありません。家族と一緒に話し合い、日頃から共有しておくといざという時にスムーズに対応できます。とくにお子さんや高齢の家族がいる場合は、生活スタイルや好みに合った備えがとても大切。以下のようなポイントを話し合って、家族全員で協力しましょう。
| 話題 | 内容 |
|---|---|
| 誰が何をどのくらい使っているか | 日用品や食品の消費スピードの把握 |
| 「いざという時」ってどんな状況? | 想定する災害の種類やシーンを共有 |
| 嫌いな食べ物・アレルギーの確認 | 無駄のないストック管理に役立つ |
| ストックの場所や収納ルール | 誰でもすぐに使える状態をつくる |
災害時は「自分しか知らない」「場所が分からない」が命取り。普段から「これ災害時にも使えるんだよ」「この棚はストック用ね」といった小さな声かけを意識してみると、いざというときの大きな助けになります。
日常を“防災モード”に変える、小さな選択の積み重ね
災害は、いつ・どこで起きるかわかりません。でも「特別な準備」は必要ありません!今日の買い物で選ぶ食品や日用品、キャンプやレジャー用に使いたいアウトドア用品。これらひとつずつが、いざという時の命をつなぐ心強い味方になります。
ローリングストックの考え方は、「備える」ことをもっと自然に、もっと自分らしくしてくれます。無理に非常用セットを買いそろえるのではなく、普段の暮らしの延長線上で少しだけ意識を変えてみる。それだけで、暮らしの安心度がぐっと上がります。
そして、自然環境の中で使うことを想定して設計されたアウトドア用品は、そのまま防災にも大活躍!普段使いで慣れておけるうえに、長期保存がきくアイテムも多く、収納性や耐久性にも優れています。
「いざという時も安心」なアウトドア用品。サンデーマウンテンからGETして、日常に取り入れてみませんか?
























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